今回は『【勉強プラン】全科目の偏差値を50から60に上げるには半年かかる』について紹介します。
一度はYouTubeやブログで「3ヶ月で偏差値を50から70に上げる勉強法」などの情報を見たことがあると思います。
そのため、偏差値はすぐに上げられるものと思っている人も少なくないでしょう。
しかし、非常に残念ながら、偏差値を50から60に上げるためには半年は必要です。
では、具体的にどのような勉強プランであれば半年で全科目の偏差値を50から60に上げられるのか、なぜ半年も必要なのかを説明します。
偏差値50から60で半年かかる理由
必要な勉強時間
- 理系の場合:1300時間
- 文系の場合:1100時間
これは、偏差値を50から60に上げるために必要な勉強時間の目安です。
平均すると、1年間は「休日120日」「平日245日」で構成されています。そのため、月あたりの休日数は10日、平日数は20日ほどです。
1日の自学の時間(学校の授業は除外)を、休日が10時間、平日が5時間としましょう。すると、1ヶ月あたり200時間ほど勉強をすることになります。
達成までに必要な勉強時間を200時間で割ると、理系なら6.5ヶ月、文系なら5.5ヶ月ほど必要になるわけです。
科目別に必要な勉強時間の目安
科目別の総勉強時間
理系の場合
- 英語:320時間
- 数学:400時間
- 国語:90時間
- 理科1:220時間
- 理科2:220時間
- 社会:50時間
文系の場合
- 英語:350時間
- 数学:200時間
- 国語:180時間
- 社会1:160時間
- 社会2:160時間
- 理科:50時間
※共通テストも視野にいれた勉強時間
これは、偏差値を50から60に上げるために必要な科目別の勉強時間の目安についてです。
科目別の1日あたりの勉強時間
理系の場合
0~4か月目
- 英語:1.5時間(平日) 3時間(休日)
- 数学:1.5時間(平日) 4時間(休日)
- 国語:0時間(平日) 0時間(休日)
- 理科1:1時間(平日) 1.5時間(休日)
- 理科2:1時間(平日) 1.5時間(休日)
- 社会:0時間(平日) 0時間(休日)
4~6.5か月目
- 英語:1時間(平日) 1時間(休日)
- 数学:1時間(平日) 3時間(休日)
- 国語:1時間(平日) 2時間(休日)
- 理科1:1時間(平日) 1.5時間(休日)
- 理科2:1時間(平日) 1.5時間(休日)
- 社会:0.5時間(平日) 1時間(休日)
理系で最優先に固めるべきは、「英語」と「数学」です。
最初の4ヶ月間は、この2つにできるだけ時間を費やし、残りの2ヶ月半で共通テスト対策用に、「国語」や「社会」のようなサブ科目を入れ始めるといいでしょう。
文系の場合
0~4か月目
- 英語:1.5時間(平日) 3.5時間(休日)
- 数学:1時間(平日) 2時間(休日)
- 国語:1時間(平日) 1.5時間(休日)
- 社会1:0.75時間(平日) 1.5時間(休日)
- 社会2:0.75時間(平日) 1.5時間(休日)
- 理科:0時間(平日) 0時間(休日)
4~5.5か月目
- 英語:1.5時間(平日) 3時間(休日)
- 数学:1時間(平日) 1時間(休日)
- 国語:1時間(平日) 1時間(休日)
- 社会1:0.5時間(平日) 1.5時間(休日)
- 社会2:0.5時間(平日) 1.5時間(休日)
- 理科:0.5時間(平日) 2時間(休日)
文系の場合も同様で、やはり「英語」と「数学」が重要です。
とはいっても、理系ほど数学を深くまでやり込む必要はないので、数学の勉強時間の一部は国語に回しましょう。
残りの1ヶ月半は、共通テスト対策用に理科を少しずつ勉強し始めるといいですね。
偏差値50から60までに使う参考書の例
こちらで紹介する参考書は一例なので、これらの参考書でなくても問題ありません。
英語の場合
参考書の例
- Forest(evergreen)
- システム英単語
- 長文レベル別問題集
- 基礎英文問題精講
勉強の手順
- 文法・構文の基礎知識をざっと暗記
- 英単語を暗記
- 長文読解の練習
- 英作文の練習
基礎的な文法・構文知識は完璧に仕上げるよりも、ざっと頭に入れる程度にして、英単語の暗記や長文読解の練習に移りましょう。
英語は「長文読解」と「リスニング」が得点のほとんどです。そしてこれらは、最低限の文法・構文知識があれば、あとは単語力と長文読解への慣れで乗り越えられます。
英作文については、手順1〜3が身につけば、自然と習得ができるようになるので、最後に演習しましょう。
数学の場合
参考書の例
- 青チャート(例題★1~★3)
- クリアー数学
勉強の手順
- 1冊目を〇が3コつくまで反復
- 解法の理由を考えながらさらに1周
- 2冊目の参考書で確認演習
もしチャート式を使う場合は、例題★1〜★3までの問題に〇が3コつくまで反復して、その後になぜその解法になるのかを考えながら、もう1周しましょう。
時間があれば、その後にクリアー数学のような学校配布の問題集で、確認テストの演習ができればより良いです。
国語の場合
参考書の例
- 入試現代文へのアクセス
- マドンナ古文単語
- 漢文ヤマのヤマ
勉強の手順
- 古文(単語の暗記が重要)
- 漢文(丸暗記で対処が可能)
- 現代文
- 小説(半端な勉強時間だと無意味)
学習する手順としては、暗記で対策ができる「古文」「漢文」から始めるのがオススメです。
特に理系の場合、漢文は丸暗記でも得点が可能なので、絶対に対策しておくべきです。古文は単語が分かるかどうかでかなり変わります。
また、理系かつ国語にセンスがないと感じる人は、「小説」はあらかじめ捨てた方が効率的です。理由については以下で解説しています。
理科の場合
参考書の例
- 基礎問題精講(物理)
- 重要問題集(化学)
- 基礎問題精講(生物)
勉強の手順
- 〇が3コつくまで反復して演習
- 解法の根拠を考えながらもう1周
※文系の場合は丸暗記で可
演習する時は、問題に〇が3コつくまで反復して、頭に解法が入ったあとは解法の根拠を考えながらもう1周みてください。
文系の場合は、共通テスト対策で理科を用いる人がほとんどだと思うので、丸暗記で対処できます。
社会の場合
参考書の例
- 地理Bの点数が面白いほどとれる本
- 新詳地理資料集
- 詳説日本史B
- 詳説世界史B
勉強の手順
- 3周読んで暗記
- 暗記できない箇所を選別
- 苦手箇所の定着
- 知識のつながりを意識して反復
社会はただの暗記と思われがちですが、一つひとつの暗記知識のつながりや、なぜその知識の結果になっているのかを考えながら学習すると、理解効率がぐんと上がります。
参考書1冊の演習時間と進め方
ここでは、参考書1冊の演習にかかる時間、そして1日に何ページ進めるべきかについて紹介します。
参考書演習にかかる労力
- 1周目:10割
- 2周目:7割
- 3周目:4割
例
- 参考書のページ数:300ページ
- 300 + 300 × 0.7 + 300 × 0.4 = 660ページ
参考書のページ数が300ページだとすると、3周するまでに合計660ページの演習が必要ということになります。
例えば、1冊の参考書にかけられる勉強時間を50時間だとすると、1時間あたりに13ページを進めないといけないという計算になります。
このように、科目別に必要な勉強時間と参考書のページ数から、半年で目標達成するための1日の演習量を計算してみてください。
そして、その時間内に終わるように、集中して勉強してみてください。そうすれば、半年で全科目の偏差値を50から60にあげることが可能になります。