遺伝子検査キットの効果と注意点!ダイエットや病気予防は本当にできる?

 

今回は「これからは自分で遺伝子検査をする時代である話と、自分のDNAの構造を知ることで効率的なダイエットや、将来的にかかる可能性のある病気の予防ができる話」について紹介したいと思います。

 

ほんの数十年前まではDNAについてすらそこまで分かっていない状態でした。

 

しかし今となっては、自分で自分の遺伝子を調べて自分の体の特徴を知ることができる時代となってきています。

 

人間の体はDNAの配列に従って構成されているため、あらかじめDNAという運命で決められています。

 

環境依存度が高いと言われる「性格」ですら、半分はDNAに依存しているほどです。

 

我々の体を電化製品とするならば、DNAは設計図です。

 

もし電化製品に不具合が生じたなら、設計図と見比べておかしな点がないかを探しますよね?

 

これが事後対応、いわゆる診察です。

 

ではもしあらかじめ正解の設計書が存在しており、自分を構成している設計書と見比べることができるとしたらどうでしょうか。

 

もし自分の設計書の中に不具合を生じそうな設計ミスがあればどうでしょうか。

 

そうですよね。本格的に不具合が生じ始める前に直しておきたいですよね。これを可能にするのが「遺伝子検査」です。

 

今回はこの「遺伝子検査」における病気の予防可能性と、遺伝子検査の有用性について分かりやすく説明したいと思います。

 

ちなみに遺伝子検査キットの効果の結論を申し上げると以下です。

 

結論

 

■ある程度ダイエットや美容の知識を持っている人からしたら物足りない

 

■潜在的な性格を知りたい人やこれからダイエットをしたい人には役立つ

 

■病気やがんの予防が完璧にできるほどの精度はない

 

この結論の理由については記事内で説明したいと思います。

 

今回の記事はこんな方にオススメ

・遺伝子構造を知ることでダイエットや美肌にも役立つの?

・遺伝子検査でどのくらい病気を予防できるの?

・遺伝子検査ってどうやってやればいいの?

 

1. 遺伝子検査キットの特徴

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遺伝子検査や遺伝子操作の可能性は無限大です。

 

遺伝子の配列を把握したうえで遺伝子を操作することができれば、人体に生じるあらゆる問題も解決できることでしょう。

 

と言っても、それはあくまで理想的な机上の空論です。実際は規制の問題や技術的な問題があるので、遺伝子検査のレベルも今は万能とは言えません。

 

遺伝子検査キットでできること

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現在存在している遺伝子検査キットでできることは以下です。

 

①食事の成分ごとの代謝機能を知って効率的なダイエット

 

②本来の肌質を知り効果的な美容ケア

 

③遺伝子の配列から病気やがんリスクを算出して意識

 

④「遺伝子由来の本来の性格」と「現在の自分の性格」の比較

 

ではなぜこれら①~④の4つのことが遺伝子検査をすることで可能にできるのでしょうか。以下で項目ごとに詳細を説明します。

 

また、検査結果の精度や満足度を★1~5つで表現したいと思いますので、ご参考ください。星の数の理由も添えています。

 

①食事の成分ごとの代謝機能を知って効率的なダイエット

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精度や満足度★★★★

 

【原理の説明】

人間には「代謝」というシステムが存在しています。代謝は皆さんが口にした食べ物をエネルギーに変えたり、体の中の有用成分に変換したりする際に必要な反応経路です。

 

例えば、糖の代謝経路は「解糖系」と呼ばれており、口から摂取した糖分がエネルギーに変換されます。

 

皆さんが飲んだアルコールが分解される反応も「アルコール代謝」という代謝経路によるものです。

 

代謝は複数の化学反応が組み合わさることによって形成されているのですが、この化学反応には多くの場合「酵素」というものの存在が必須になってきます。

 

そして、この酵素の働き方によって代謝の能力も決まってきます。実はその「酵素の働き方」を決めているものが「遺伝子」です。

 

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上図の「糖分⇒エネルギー」の変換反応が「代謝」を表しており、「糖分」を運んで「エネルギー」に変換している自転車配達員が「酵素」を表しています。

 

Aさんの代謝の酵素はやる気十分なので一度に多くの糖分を素早くエネルギーに変えているのに対して、Bさんの代謝の酵素はやる気がなく、時間をかけて少量をエネルギーに変えます。

 

このAさんとBさんの「糖をエネルギーに変換する代謝能力」の差は「酵素の働き方」が原因で生じています。

 

そして、この酵素の働き方(自転車配達員のやる気)の違いは、遺伝子の配列の違いが原因で生じています。

 

つまり、糖の消費のしやすさは、遺伝子の配列によって人それぞれ異なっているのです。

 

その遺伝子の配列を調べて、皆さんが糖を消費しやすい代謝をもっているかどうかを検査できるものが「遺伝子検査キット」です。

 

糖を消費しにくい人は糖質を少し減らしてあげると効果的です。糖の消費がしやすいのに太っている人はまた別のところに原因が存在します。

 

このように人ごとに遺伝子の配列による代謝の特徴が異なっているため、その人に適した対策を取ることができるようになります。

 

【精度や満足度】

糖質や脂質やタンパク質の代謝に関しては生体の主であるため、研究が進んでおり、分子生物学的な視点からも遺伝子統計学的な視点からもデータが豊富なので、精度よく判断できます。

 

②本来の肌質を知り効果的な美容ケア

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精度や満足度

 

【原理の説明】

肌上には角質層が存在しています。その角質層はタンパク質でできています。タンパク質は、遺伝子の配列という設計書をもとに作られています。

 

つまり何が言いたいかというと、タンパク質である角質は人によってそれぞれ少しずつ性能が異なっているのです。

 

また、角質だけでなく、肌上には様々なタンパク質が存在しており、そのバランス等も遺伝子の配列で制御されています。

 

そのため、水を保持しやすい構造のタンパク質を持っており、バランスもとれている人は何もしなくても保湿されやすい肌を持っているのに対して、そうでない方は乾燥肌であったりします。

 

この肌の性質についても、遺伝子レベルで決められています

 

つまり肌に関しても、その人の肌の構造に適したケア方法があるので、適した処理を行なう必要があります。

 

【精度や満足度】

肌上のタンパク質などのデータに関しては「保水機能の高さ」や「バランス」等のデータしか集計していないことがほとんどです。

 

そのため、”あなたは乾燥肌の傾向があるため、保湿ケアをしましょう”のような、自分でも初めから分かっているデータしか得られない可能性が高いです。

 

これから遺伝子と臨床データのサンプリングを重ねていけば、より詳細なデータを得られると思いますが、現段階ではおそらくこの程度が限界でしょう。

 

③遺伝子の配列から病気やがんリスクを算出して予防

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精度や満足度★★

 

【原理の説明】

人間のDNAは「A(アデニン)、G(グアニン)、C(シトシン)、T(チミン)」という4つの物質で構成されています。

 

そして、遺伝子はDNAの中に存在しているため、遺伝子も同様にこれらの4つの物質で構成されています。

 

そして、この遺伝子の4つの物質による構成の違いによって、病気になりやすさが違ってくるのです。

 

例えば、「oimajikayo」という名前の遺伝子があったとしましょう。この遺伝子は「オイマジカヨ病」に関与する遺伝子であるとします。

 

この遺伝子の通常の構造は「ATCGCTGCAGT」なのですが、「ATCGCTCCAGT」という構造を持っている人はなぜかオイマジカヨ病を発病しやすい傾向がありました。

 

つまり、本来は「G」という構造でなくてはならないところが「C」という構造に変わってしまっている人は、発病しやすいのです。

 

このように、病気に関する遺伝子の配列を調べて過去の統計データと比較することで、病気になりやすさを判断したものが今回の遺伝子検査キットです。

 

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上図の例だと、T型の構造を持っている人が発病しやすい傾向にあり、C型の構造の人は普通、G型とT型の人は発病しづらいという結果になります。

 

このように、遺伝子検査キットによる病気やがんのリスク評価には、過去のサンプルの多さが重要になってきます。

 

【精度や満足度】

統計処理を行う上でのサンプル数は十分量に達しているので、精度的には問題ありません。しかし、問題は商品満足度です。

 

「病気のリスクが1.27倍」のように、結果が平均値を1としたときの相対評価で表されるのですが、この表記をされたところでイマイチ受け取った側は判断ができません

 

”1.27倍ってどのくらい危険なんだろう…”という反応になるのがオチです。また、その病気のリスクに対して特に何か予防案を提案してくれるわけではありません。

 

そのため、自分自身でリスクの高い病気について調べ上げて、自分自身で予防方法を見つけ出す必要があります。

 

せっかくの検査プロトコルと精度の高さが台無しです。ここが改善されれば、かなり効果的な遺伝子検査キットになり得ることでしょう。

 

④「遺伝子由来の本来の性格」と「現在の自分の性格」の比較

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精度や満足度★★★

 

【原理の説明】

人間の性格は半分が遺伝子由来、そしてもう半分が環境由来と言われています。

 

セロトニンのような幸せホルモンの分泌量も遺伝子の構造に依存しているため、意外と半分が遺伝子由来というのも納得できます。

 

この性格の遺伝子検査に関しても、病気やがんの検査と同様に過去のサンプルと性格を統計処理して評価しています。

 

そのため、性格の遺伝子検査に関しても、過去のサンプル数が重要になってきます。

 

【精度や満足度】

精度に関しては、なんとも言えません。

 

なぜなら、性格の半分は環境依存なので、例えば「暗い」と診断された人の遺伝子をサンプリングしたとしても、その暗さが「遺伝子依存の暗さ」なのか「環境依存の暗さ」なのかが判断できないからです。

 

そのため、過去のサンプルの信頼度自体も半減します。この性格診断に関しては、占いのような目的で使うと良いかもしれません。

 

潜在的な性格は「勤勉」なのに対して、今の性格が「怠け者」だとしたら、人生のどこかで怠ける原因の出来事があったということ。

 

そして、元の性格自体は勤勉なはずだから、今からでも勤勉になる出来事を発生させれば必ず勤勉になれはず!!

 

のように、プラスに捉えて前に進むきっかけになるかもしれませんので、満足度は高いと思います。

 

以上が現在存在している遺伝子検査キットでできることです。

 

2. 遺伝子検査の可能性

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今はまだあまり知られていない遺伝子が多かったり、DNA配列との相関性の知見が浅かったりするので、統計的な処理しかできていません。

 

しかし、そのうち分子生物学への知見がより深まれば、遺伝子の配列そのものから、その遺伝子の働きレベルなどを確実に推測できるようになってくるでしょう。

 

そうなれば、各自のDNAを全て読み込むことで、その人の体のすべてを把握することができ、今後の病気やがんに確実に備えることができるようになります。

 

遺伝子編集技術が上がり、もし使用が認められるようなことがあれば、遺伝子レベルで病気やがんを抑制できるようになるかもしれません。

 

いずれにしても現時点では不可能ですが、DNAや遺伝子の可能性は今後どんどん拡大していくでしょう。

 

遺伝子組み換えの可能性と不老不死の関係とは?テロメアとテロメラーゼ

 

3. 遺伝子検査キットのレビュー

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以下の記事で遺伝子検査キットごとのレビューと、私がオススメできる遺伝子検査キットを理由と口コミ込みで紹介しています。

 

是非以下の記事もご覧ください。

 

moneykinskywalker.com

 

4. まとめ

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以上、遺伝子検査キットの原理とその効果の紹介でした。

 

やはり今はまだ精度が低いもの、サービスがイマイチなものも存在しています。今後の成長に期待ですね。

 

現時点で信頼度が高く、なおかつ楽しめるor役立つものは以下の2種類の遺伝子検査です。

 

■ダイエット

 

■性格診断

 

それ以外のものは今のところ精度と満足度が少し低いです。好奇心で買ってみたい方は是非試してみるといいでしょう。

 

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