今回は『大学受験の学歴と親の収入は関係ある?塾や予備校の有無は実は関係ない』について紹介します。
大学受験と言えば、塾や予備校のイメージがありますよね。
おそらく周りの友達にも、塾や予備校に通っている人が多いと思います。
そのせいか、大学受験には塾や予備校が必須であるとよく勘違いされています。
しかし、実際は大学受験において『塾』『予備校』は特に必須ではありません。
今回は、大学受験において塾や予備校が必要ない理由を紹介したいと思います。
マネー金
親の収入と子供の学歴の関係
大学受験の成功に親の収入が必須と思っている方は、このようなデータを一度見たことがあるのではないでしょうか。
これらのデータは、過去に東京大学とお茶の水女子大学の調査により作成されたものです。
この調査結果が示している内容を簡潔にまとめると以下です。
【東大生の親の収入】
- 年収が950万円以上の世帯が60%
【親の収入と子供の勉強時間】
- 年収の高い親の子供ほど、勉強時間が多い傾向
【通塾と学力の関係】
- 通塾している子供の方が学力が高い傾向
これだけ見ると裕福な家庭の子供の方が受験有利に思えるかもしれません。
しかし、このデータの結果にはそれぞれ注意点と理由があります。
東大生の親の収入
- 高収入な親の多くは、日本の就職システム的に高偏差値大学出身者
- 高学歴(高収入)の親ほど、子供に勉強する環境を与えたがる傾向
東大生の親は高収入が多いという事実が調査データから出ていますが、これには理由があります。
今でこそ高収入=高学歴のイメージが徐々に無くなりつつありますが、数年前までは高収入=高学歴のケースがほとんどでした。
そして高学歴な親は、楽に安定を手に入れられるという高学歴のメリットを知っています。
親というものは、できれば子供には苦労なく生きて欲しいと願うものです。
なので、高学歴の親は子供の将来の苦労のことを考えて勉強を勧めます。
つまりまとめると、『高学歴(高収入)の親』ほど、子供に勉強する環境を与えたがるのです。
これが、東大生の親に高収入が多い理由です。
親の収入と子供の勉強時間
- 高収入(高学歴)な親ほど子供に勉強する環境を与えたがる
高収入(高学歴)な親ほど子供に勉強する環境を与えたがるので、親の収入が多い子供の方が勉強時間が増える傾向があります。
これは塾や予備校に通わせる環境だけでなく、勉強するように口酸っぱく言うことや、小さい頃から勉強習慣をつけさせてきたことも含まれます。
通塾と学力の関係
- データを深く読み取ると、塾に通った方が学力が上がるとは言えないことが分かる
- 「子供に勉強意志がない×親に勉強させる意思がない」場合のみ危険
通塾している子供の方が、通塾していない子供よりも学力が高いという結果が出ています。
これについてなのですが、注目してほしいのが『通塾していない子供』です。
以下をご覧ください。
【通塾している子供の分類】
- 子供に勉強意志がある×親に勉強させる意志がある
- 子供に勉強意志がある×親に勉強させる意志がない
- 子供に勉強意志がない×親に勉強させる意思がある
【通塾していない子供の分類】
- 子供に勉強意志がある×親に勉強させる意思がない
- 子供に勉強意志がない×親に勉強させる意思がある
- 子供に勉強意志がない×親に勉強させる意思がない
『通塾している子供』と『通塾していない子供』の一番大きな差は以下です。
子供に勉強意志がない×親に勉強させる意思がない
通塾している子供の場合は、子供に勉強意志があろうがなかろうが、強制的に勉強に触れなければなりません。
つまり、勉強環境があらかじめ用意されて与えられているパターンですね。
一方で、通塾していない子供の場合、親か子供のどちらかに勉強意志がなければ、勉強をする環境自体が形成されません。
嫌だろうが何だろうが、勉強環境の中にいれば、少しは学力が身につきます。
しかし、そもそも勉強環境の中におらず、勉強に触れる機会が少なければ、当然学力は身につきません。
この『勉強環境』の存在が大きな差です。
通塾していない子供の中の『子供にも親にも勉強意志がない』パターンの場合、この『勉強環境』は存在しません。
つまり、『勉強環境がない』子供を含んでいる『通塾していない子供の学力』が、『通塾している子供の学力』より低いのは当然なのです。
そのため、『平均値』を表しているこのデータでは、塾に通った方が学力が上がるとは言えないのです。
大学受験において塾や予備校で得られるモノ
【得られるモノ】
- 勉強環境
- 勉強ライバル
- 分からない箇所の質問
- 正しい勉強のやり方
それぞれの得られるモノについて、本当に塾や予備校が必要なのかについて紹介します。
1.勉強環境
- 勉強環境は『図書館』『公民館』『カフェ』等で代用できる
勉強環境は『勉強するための空間』『周りの勉強雰囲気』『勉強教材等』です。
塾や予備校には、これらが基本的に揃っています。
一方で、これらに通っていない人は、自分でこれらを用意する必要があります。
勉強空間は『図書館』『公民館』『カフェ』等で代用できるでしょう(人目がある場所がオススメ)。
周りの勉強雰囲気に関しても同様です。
図書館や公民館には基本的に勉強スペースのようなものが設けられています。
そのため、そのスペースには自分と同じような受験生がたくさんいます。
私も図書館で毎回受験勉強していました。
最後の勉強教材に関してですが、これは自分で参考書を購入する必要があります。
2.勉強ライバル
- 学校に行っている人は、今の自分のレベルと同等あるいは少し上くらいの人をライバルに設定
- 学校に行っていない人の場合は、SNS上で『#勉強垢』で検索して相互フォローし合うと良い
学校に行っている人は、今の自分のレベルと同等あるいは少し上くらいの人をライバルとみなして頑張りましょう。
声をかけて勝負を挑んだり、一緒に頑張るよう協力要請を出してみてもいいかもしれませんね。
学校に行っていない人の場合は、SNS上で探すと良いでしょう。
Twitterを探すと『#勉強垢』と書いている受験生で溢れています。
その人たちとお互いにフォローし合って、切磋琢磨してみると良いでしょう。
3.分からない箇所の質問
- SNS上の受験生たち、yahoo知恵袋、受験関連の発信をしている人などを利用
SNS上の受験生たち、yahoo知恵袋、受験関連の発信をしている人など、聞く相手はたくさんいます。
また、最近はYoutubeで問題解説をしている人も非常に増えてきたので、探してみると同様の問題の解説が見つかると思います。
4.正しい勉強のやり方
- 大学受験での勉強法を発信している人の中で自分が好きなスタイルを選ぶと良い
効率のいい勉強をして逆転合格した人なんて世の中探せば腐るほどいます。
最近は大学受験での合格の秘訣や勉強法を発信している人が増えてきました。
おそらく人によって言っていることは少しずつ違うと思います。
一番良いのは『多くの受験成功者の秘訣を知った上で共通するものを実践する』という方法ですが、正直めんどくさいです。
なので、自分が一番好きなスタイルを参考にするので良いと思います。
失敗する原因は限られていますが、成功方法はたくさんあります。
どれを選んでも、最後まで信じて貫けば、成功できます。
以上が塾や予備校で得られるモノを自分で獲得する方法です。
私が独学で勉強していて困ったことと言えば『分からない箇所の質問』と『正しい勉強法の模索』だけでした。
今はネット環境が発達しているので、検索さえすればいつでも正しい情報を手に入れることができます。
そのため、以前は塾や予備校の存在は偉大だったかもしれませんが、今となってはそれほど大きな存在ではありません。
お金がないからこそ高学歴になってほしい
これは偏差値の高い大学あるあるなのですが、偏差値の高い大学は、親が高収入という人間が非常に多いです。
そして、基本的に『偏差値の高い高校』『良い塾や予備校』に通っていたという人ばかりです。
そのため、自分から行動しなくても『初めから親が環境を与えてくれていた』という人間が非常に多いのです。
なので、必要な環境が存在しなかった時に『自分で必要な環境を作り出す』という行動が苦手な人が非常に多いです。
一方で、自分で苦しみながらも試行錯誤して必要な環境を作り出して努力した人間は、学力だけでなく適応力も身につきます。
あらゆる環境下でパフォーマンスを発揮できる人間は、この『環境を作り出す能力』が非常に高いです。
せっかく高学歴なのであれば、学力だけでなく、生きるための力も身についていて欲しいものですよね。
なので、皆さんには是非「学歴という飾り」だけをぶら下げる人間ではなく、生きる力も伴った人間になってほしいです。
お金がない人こそ、真に能力のある高学歴になるチャンスです。