やる気が出ない受験生でも勉強時間を増やせる3つのコツ

今回は「偏差値の低い受験生が第一志望の大学に合格するための勉強法」を、学年最下位から東工大に合格した筆者の経験をもとに紹介します。志望大学は決まったものの、勉強をする気がまったく起きない、勉強したい気持ちはあるのに続かないという受験生は少なくありません。今回紹介するのは、まさにそんな受験生にこそ試してほしい王道の方法です。

正直なところ、ほとんどの人はできれば勉強をしたくありません。筆者の場合はその典型で、偏差値56の中高一貫私立に入ったあと、中学1年から高校2年までほとんど勉強をすることなくエスカレーター進学しました。その結果、授業を真面目に聞く、テスト勉強をする、自宅で宿題をするという、普通の学生が当たり前にできることがまったくできませんでした

その結果、受験生予備軍である高校2年の冬頃になっても大人しくイスに座って勉強をすることができず、その学力も中学1年レベルで止まっていました。そんないわゆる落ちこぼれ受験生の筆者が、2ヶ月後には休日で10時間ほど勉強をすることができるようになり、毎日勉強をしていないと落ち着かなくなるまでに進化したのです。

勉強が大嫌い、やらないといけないと思っても行動ができない。そんな受験生であった筆者が2ヶ月で大きく変わることができた方法。それを今から皆さんにご紹介します。

たった2ヶ月でどう変わったか

今回の記事で紹介する3つのコツを実践する前後で何がどのように変わるのか。イメージができていないと実践するための最初の一歩がなかなか出なくなるため、ここでは筆者の実例をもとにその変化の前後を紹介します。

変わる前
  • その日やりたい目標を決められない
  • 与えられた目標すら1つもできない
  • 勉強関連の事を2日以上続けられない
  • 勉強時間の耐久許容量はほぼゼロ
  • 勉強ができなくても何も感じない
変わった後
  • その日やりたい目標を決められる
  • 決めた目標を確実に達成できる
  • 決めた勉強を毎日続けられる
  • 勉強時間の耐久許容量は10時間
  • 勉強をあまりしなかった日は不安

ここで挙げている5つの項目「目標の設定・目標の遂行・継続・勉強耐久・課題意識」は大学受験に欠かせない要素です(集中力はまた別の要素なのでここでは扱いません)。ただ、変わりたいと思ってもなかなか一朝一夕に変えられないのが多くの受験生を苦しませている要因でもあります。

いきなり「明日からできるようにしよう」などと意気込むと三日坊主になってしまうので、「焦らず自分のペースで少しずつ変えていく」という意識が重要になります。

筆者が2ヶ月間でやったこと

先ほどご紹介したように、イスにすらまともに座れなかった筆者は、まず勉強ではなくイスに長時間座る練習から始めました。具体的にやったことは「イスに座って長時間好きなことをする(筆者の場合は漫画やゲームや読書)」でした。冗談のような話ですが、これを2週間ほど続けた結果、今までおとなしく座ることのできなかったのが、なんと長時間イスに座っても苦痛を感じなくなったのです。

こうして、座る耐久値が身についた筆者が次にやったことは、1時間未満という少ない時間の中での勉強です。問題文を1問分読む、1分勉強する、10分勉強するなどのように、今の自分にできる小さな目標から徐々に達成していき、成功経験と継続を積み上げていきました。

今までできなかった大きなことをいきなり達成しようとしても、せいぜい三日しか持ちません。重要なのは、継続できる時間をすこしずつ増やしていくことです。筆者の場合はこのステップのおかげで、1ヶ月も経たないあたりから毎日1時間は勉強しても苦を感じなくなりました。

ここから先はそれほど難しくなかったです。これまでと同様に”できる許容量”を徐々に増やしていき、勉強できる耐久値を伸ばしていきました。すると、2ヶ月が経つ頃にはすでに10時間勉強という耐久ができるようになっていました。

そして、ちょうどこの頃から「勉強するのが当たり前」という意識が身につき、勉強をしない日があると焦るようにもなってきました。この「勉強をしない日があった時に焦りを感じるかどうか」が、今後も継続していけるかどうかの「習慣化の境目」になります。

勉強時間を増やす3つのコツ

f:id:tokiotokonanawariG1:20191201115209j:plain

先ほどは筆者の場合における習慣化までの道のりを紹介しましたが、正直なところその習慣化までが最も大変で多くの人が続きません。逆に言えば、自分の習慣を手に入れることができれば受験は成功したも同然と言っても過言ではないでしょう。ただし、それを実現するためには、3つの用意するべき環境があります。

2つの締切を設定
  • 締切を設定できているか
  • デメリットは想定できているか
  • 周りを巻き込んでいるか

1. 締切を設定できているか

20時までに数学を87ページまで終わらせる、水曜日までに600単語を覚える。このように、一つひとつの行動に締切を設けて意識できているかいないかで、最初の一歩を踏み出す時のしんどさが大きく変わります。

自分で自分を鼓舞して行動するのはけっこうなエネルギーを使うので、締切を強制的に設定して、そのエネルギーを減らしてあげましょう。その時にですが、以下2種類の締切を意識してみてください。

2つの締切を設定
  • 1週間あたりの締切
  • 1日あたりの締切


例えば、日曜日までに英単語は700単語、数学の参考書は第二章まで終わらせる。今日は1時間以内に英単語を100単語、2時間以内に数学の参考書を20ページ終わらせる。

このように、1週間あたりの目標量と締切、1日あたりの目標量と締切をそれぞれ掲げておくと、細かな調整がしやすい上に、締切に対する意識が薄れずにすむので、目標を達成しやすくなります。

2. デメリットは想定できているか

目標と締切は設置できているはずなのに、なかなか勉強ができない。そんな人も中にはいるでしょう。では、思い返してみてください。もし締切までに達成できなかった時、どんなデメリットが自分に降りかかりますか。おそらく、ほとんどの人が「ぶっちゃけ達成できなくても別に明日以降やればいいしな」と心の奥底では思っているでしょう。

例えば、皆さんが学校の宿題を締切までに何とか処理しようとするのは、達成できなかったら先生に怒られる、周りから不真面目だと思われる、自分自身が自分に対して幻滅感を抱くなど、なんらかの避けたいデメリットを強く想像できるからです。

思い返してみてください。5分後にやる、1時間後にやる、明日やる、来週やる。そう言って続いたことがありましたか。変わるきっかけは行動しかありません。当然、いま行動を起こさなければ、1年後も、3年後も変わることはない。いくらやる気になったところで、行動につながらなければ、何も変わることはない。

逆に言えば、たった一つの小さな締切とは、それだけ大きな可能性を秘めた変わるチャンスでもあります。目の前の締切は、最もコスパのいい当たりくじと言えるわけです。では、想像してみてください。その目の前にあるラッキーな当たりくじが、引くことなくそのまま捨てられたらどうか。これが、皆さんが締切を無視した時のデメリットになります。

締切を設けたら、試しにタイマーで測りながら勉強を始めてみてください。もしクリアできたら、すこしずつタイマーの設定を増やしていく。これができれば、自然と勉強時間は増えているでしょう。

3. 周りを巻き込んでいるか

締切を設定して達成できなかった時のデメリットを想像できていても、やはり自分だけでは怠け心が出てしまうのが人間です。そんな時に使えるのが、その目標達成に周りの人間も巻き込むという手段。

例えば、明日の19時に漸化式の範囲を友達に解説すると約束し、絶対にわかりやすい説明できるからなどのように制限をかけておくと、もはや自分だけではなく他人も巻き込むことになるので、やらざるを得なくなります。もし友達との約束が難しい場合は、いつまでに何を達成するかを周りに強気で宣言をしておくと、甘い自分を後押しすることができます。

大切なのは、どのようにして甘い自分を律する環境を作るか。この視点さえ持っていれば、自分で立てた目標の達成に困難を感じることが少なくなるでしょう。

勉強のやる気が出るテクニック

f:id:tokiotokonanawariG1:20191130091110j:plain
注目

勉強において尊敬する人の言動を真似する

ここまでの流れを試してみて、それでもどうしても続かないということであれば、最後に試してほしいことがあります。それは「勉強において尊敬している人になりきる方法」です。

例えば、身のまわりに「この人みたいに勉強できるようになりたいな」と思える人はいませんか。もし1人でもそのような人がいれば、ぜひその人の姿勢から言動から勉強スタイルまで、その人に成り切って勉強をしてみてください。

これはいわゆるモデリングと言われる手法で、成り切った相手に対する憧れと成り切った時の想像力の違いで、パフォーマンスが変わってきます。もしいなければ、大学に合格した世界線の「理想の自分」を想像してみるとよいですね。

成り切り例 ❶ペンの種類
成り切り例 ❷書き方
成り切り例 ❸勉強時の姿勢
成り切り例 ❹勉強関連の話し方

勉強ができるまでの心がけ

ここまでに色々な手法を紹介してきましたが、最も大切なのは「今の自分にできる量」を認識して、すこし頑張れば達成できる目標からスタートすることです。階段を1段登ることができれば、次の1段も登ることができます。最初の1歩が一番しんどいので、ぜひ最初の一歩は達成できる量を目標として設定してみてください。