【徹底解説】E判定だらけでも志望大学をあきらめるのはまだ早い

今回は「【徹底解説】E判定だらけでも志望大学をあきらめるのはまだ早い」について、学年最下位から東工大に合格した筆者の経験をもとに紹介します。勉強しても判定が上がらないと、このままで本番に間に合うのかと不安になりますよね。筆者も受験生時代に同じことで悩んでいました。じつは、ここにはこのままでも合格を狙える受験生と、志望大学を落とした方がよい受験生がいます。

受験生の多くは河合塾の模試を受験したことがあるでしょう。河合塾の模試は最も受験者数が多く、模試受験者も本番の受験層とレベルが近いため、偏差値の表示が信頼できる模試として有名です。その河合塾によると、模試受験者全体のうちおよそ60%もの人がE判定に属するそうです。つまり、A〜D判定を取れている受験生は、全体のうちわずか40%ほどの優秀層というわけです。

引用 https://www.iza.ne.jp/article/20220125-RZHVMO4QNNJPZEKQB6CIY2DTMA/


よくE判定からの逆転合格という話を目にするかと思いますが、このE判定からの合格というのは、位置しているポジションによって現実味が大きく異なります。60%の中でも上位にいれば受かりやすいし、下位にいれば受かりづらい。つまり、E判定から合格を狙う場合に重要なのは、この60%のうちどの位置に属しているかということになります。

しかし、具体的な位置を確認するのはなかなか難しい。そのため、まずは合格を狙う前提で勉強を進めて、その上で志望大学を変更してもよい時期が来たら、その時に志望大学と自分の実力の差をもとに受けるかどうかを最終判断するのがよいです。その最終判断を正しく行うためには、成績が伸びるタイミングの把握が欠かせません。

受験で成績が伸びる時期

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毎日勉強を継続できていることが前提ですが、その上で大学受験には成績が大きく伸びるタイミングというものが存在します。以下は成績が伸びやすい時期の一例です。

伸びる時期
  • 勉強し始めから3か月目
  • 勉強し始めから8か月目
  • センター試験直前期
  • 二次試験直前期

勉強し始めから3ヶ月目

最初の伸びやすいタイミングの目安は、勉強し始めから3ヶ月目以降です。あくまで目安ですが、以下のようなステップを経て点数が上がっていきます。

1〜2ヶ月目

最低限の基礎知識をインプットするのに1〜2ヶ月ほどかかる

3ヶ月目

インプットした知識を反復し定着するのに1ヶ月ほどかかる

3ヶ月目以降

3ヶ月目以降から定着した知識が徐々に成績に反映され始める

受験勉強のし始めは知識がまだほとんど定着していない状態です。そのため、まず初めに行うのが基礎知識をインプットする作業です。基礎の範囲は幅広いため、このインプット期間に最低でも1〜2ヶ月ほど要します。では、インプットしたからすぐに点数に反映されるのかというと、そういうわけではありません。

インプットした基礎知識の定着に、さらに最低でも1ヶ月ほど要します。この知識の定着を経てようやく、学んだ知識がテストの結果に表れ始めます。つまり、この最初の3ヶ月ほどは成績が伸びづらい中で耐えきる期間というわけです。

勉強し始めから8ヶ月目

次の伸びやすいタイミングの目安は、勉強し始めから8ヶ月目以降です。

4〜5ヶ月目

定着させた知識量の限界と記憶の抜け落ちで伸びが止まる

6〜7ヶ月目

新たな知識のインプットと抜け落ちた記憶の再定着に1〜2ヶ月ほどかかる

8ヶ月目以降

8ヶ月目以降から定着した知識が徐々に成績に反映され始める

最初の3か月で身についたのはあくまで基礎知識なので、4ヶ月目以降から少しずつ成績が停滞し始めます。さらに点数を伸ばすためには、新たに標準レベルの知識までインプットしなければいません。しかし、この頃から定着したはずの基礎知識の抜け落ちが起こり始めます。これにより、ただでさえ停滞していた成績が少しずつ下がっていきます

もしこの状態を脱出したいなら、標準レベルの知識の定着抜け落ちた基礎知識の再定着、この2つをクリアしなければなりません。そして、この作業にさらに1〜2ヶ月ほどかかるため、4〜7ヶ月目までは成績が伸びづらくなり、8ヶ月目以降から再び大きく成績が伸びやすくなります。

マネーキン
マネーキン

抜け落ちの確認

テストや模試の結果の中で失点が大きい単元を参考書で確認して解けなくなっている問題を再度確認するとよい

成績の伸び悩みを脱出するために最も効率的な方法が「テストや模試結果の分析」です。テストや模試は今の自分を映してくれる等身大の鏡です。めんどくさい作業ではありますが、ぜひ結果をもとに失点が大きい範囲を確認して、使っていた参考書で復習し直してみてください。

共通テスト直前期

次の伸びやすいタイミングの目安は、共通テスト直前期です。

11月中旬〜12月中旬

共通テスト対策が本格化しこれまでに定着させた基礎〜標準レベルの知識が完全に理解できる

12月中旬〜1月上旬

理解し直した基礎〜標準レベルの知識をもとに集中的な実践演習が行われ使いこなせるようになる

1月上旬〜共テ本番

抜けていた基礎〜標準レベルの知識の穴を網羅的に埋めることができるため学力が急激に伸びる

共通テスト直前期は学力が大幅に伸びやすい時期です。理由は至って単純ですが、追い込み時期であるため勉強量が増えることと、共通テストを通して基礎〜標準レベルの対策ができるので、知識の土台がしっかりと固まりやすいためです。

ただし、注意しなければならないのは、直前期だからといって誰でも平等に伸びるわけではないというところ。先ほどの説明でも出てきましたが、伸びるきっかけは「勉強量の増加」と「基礎土台の強化」です。

そのため、勉強をしないといった行為や、基礎を疎かにするといった行為をとると、直前期だからといって伸びません。せっかく直前期という「気持ち的にも頑張りやすい時期」なので、この時期は覚悟を決めて勉強と向き合ってみてください。

マネーキン
マネーキン

共通テスト対策で最も重要なのは「①実践演習をした後のテスト直し ②結果から見る弱点の把握 ③その弱点の参考書復習」という一連のサイクルです。このサイクルをしっかりと回し、自分の弱点を一つずつ克服していけば、共通テスト本番、さらには共通テスト後にも大きく成績が伸びるでしょう。じつは、これが逆転合格の秘訣でもあります。

二次試験直前期

次の伸びやすいタイミングの目安は、二時試験直前期です。

1月中旬〜2月上旬

共通テスト対策のおかげで固まった強固な基礎土台の上に二次対策による応用知識が身につく

2月上旬〜二次本番

身につけた応用知識を使って過去問演習を行うことで知識を使いこなせるようになり学力が伸びる

二次試験は応用問題が出される場合が多いですが、応用問題とは複数の基礎知識を組み合わせて作られた問題のことなので、基礎が身についていなければ点数はとれません。しかし、共通テスト対策にて基礎土台が強固になった後であれば、二次向けの応用対策がスムーズに入ってくるようになります。これが、二次直前期にも学力が大きく伸びるきっかけの一つです。

E判定からの合格秘話

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筆者もE判定から合格した人間のうちのひとりですので、参考までにその時の状況をすこし紹介します。筆者はかつて、東工大(東京科学大学)を目指して受験勉強に取り組んでいました。長い間勉強をサボっていたこともあり、模試ではE判定以外をほとんど取ったことがありませんでした。一度だけD判定を取ったことがあったのですが、それ以外は基本的に最低評価しか取れませんでした。

当然、このまま受けてもいいものかと何度も悩みました。周りからも、東工大受験を諦めた方がいいと幾度となく反対されました。しかし、どうしても東工大に行きたい気持ちがあった筆者は、結局のところ東工大を受けることにしました。では、勝算があったのか。正直なところ、落ちていても全く不思議ではありませんでした。なぜなら、最後に受けた模試でも最低評価だったからです。

普通なら志望レベルを落とすか、諦めるかしそうなものですが、受かりたい一心で”もうなるようになれ”という気持ちで淡々と勉強をし続けました。結果は、運の後押しもあり合格でした。11月下旬の模試時点では全く届かなかった第一志望ですが、自分でも知らない間に直前期で伸びていたようです。このように、直前期(伸びるタイミング)で大きく学力が上がるケースも少なくありません。当然、その一方で思ったより伸びないということもあります。

最終的に結果がどちらに転ぶかは、受けてみなければ誰にもわかりません。ですので、最後は自分の気持ちと覚悟に耳を傾けて、どうしたいかを決めてみてください。以下の記事に、合格までの詳しい紆余曲折をまとめました。

E判定からの合格の現実

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実現に必要な要素
  • E判定からの合格は少ない認識
  • すべてを勉強に捧げる覚悟が必須
  • 失敗した時にも後悔しない気持ち
  • 合格を信じて最後まで続ける意識


忘れてほしくないのは、E判定から合格する人の割合は低いという現実。ですので、この記事のようにE判定から合格する人もいるという情報だけで判断して突撃するのは危険です。しかし、この現実を知った上でも受けたい気持ちがあるのであれば、全力でぶつかりにいってください。

最後の模試結果から本番までの期間は2〜3ヶ月あります。十分学力を伸ばせるほどの猶予です。ですので、E判定だからといって、志望大学に行きたい気持ちを捨てる必要はありません。今回の記事で判断基準を紹介しましたが、最後はやはり自分の心です。どの選択をしたら未来の自分はより後悔をしないかという視点で、選択をしてみてください。