数学が得意な人と苦手な人の違い|単なる勉強のやり方の差です

今回は「数学が得意な人と苦手な人の違い|単なる勉強のやり方の差です」について、学年最下位から東工大に合格した筆者の経験をもとに紹介します。

そもそも、数学が苦手な人はなぜ苦手なのでしょうか。数学的なセンスがないからでしょうか。それとも柔軟な発想力がないからでしょうか。いえ、残念ながらどちらも不正解です。逆に、数学が得意な人はなぜ得意なのでしょうか。もともと理系の才能があったからでしょうか。数学が大好きだったからでしょうか。

いえ、これも必ずしもそうではありません。じつは数学が得意な人は、ただ数学の勉強方法を知っているだけなのです。つまり、この違いを知ることができれば、皆さんも数学が得意側になることができるというわけです。

数学が苦手な人の原因2つ

数学が苦手な人は、これから紹介する2つのうちどちらかが原因であることがほとんどです。

① 数学が苦手な原因1つ目

注目

数学がセンスの科目だと思っている

数学が苦手な人に共通する1つ目の原因は、数学がセンスの科目だと思っていることです。実際には、大学受験の数学はセンスの科目ではありません。例えば、以下の問題を解けと言われたらどうでしょうか。

マネーキン
マネーキン

x2 − 1 を因数分解しなさい

おそらく、ほとんど考えることなく (x + 1) (x − 1) とすぐに答えられますよね。なぜなら、それは皆さんが2乗マイナス2乗の因数分解の解き方を知っているから。

では、もしこの因数分解が解けない人がいたとして、その人がこんなことを言い出したらどうでしょうか。自分には数学のセンスがないから分からないわ、君は解き方がすぐにひらめいていいよね。もし皆さんがこんなことを言われたら、どう思いますか。おそらく、ただ単純に解き方を知っているから瞬時に答えられただけだわと思いますよね。

いま簡単だと思ったこのような計算問題ですら、因数分解を習ったばかりでよく分かっていない人からするとすごいと思われるのです。しかし、実際はここに数学的なセンスは関係しませんよね。関係するのは、解き方を学んだかどうか、その解き方を定着するまで反復したかどうか、これだけです。今回の例は受験生からすると簡単すぎたので、いまいちピンとこないかもしれません。では、もう一つ例を出します。

マネーキン
マネーキン

方程式 x2 + (2 − a)x + 4 − 2a = 0 が −1<x<1 の範囲に少なくとも1つの実数解をもつような定数 a の範囲を求めよ

見た瞬間、手が止まった人も多いのではないでしょうか。それもそのはず、これは二次関数の単元におけるいわゆる応用問題に該当するからです。

しかし、このような応用問題も数学が得意な人からすると y = x2 + 2x + 4 と y = a(x + 2) のように定数 a を分離して、これらが − 1<x<1 の範囲で共有点を1つあるいは2つ持つように(接点含む)aの範囲を求めてあげるとあっけなく解けるなといとも簡単に解釈されるわけです。当然、ここにも数学的なセンスやハッとするようなひらめきはありません。ただ単純に、このような問題の解き方を知っていて、すぐに解けるように何度も反復練習しただけです。

このように、大学受験の数学というものは、解き方を知っているかどうかで大きく点数が左右されます。そして、解き方を知っているかどうかというのは、どれだけしっかりと参考書で覚えるべき解法パターンを覚えたかというところにつながってきます。つまり、数学が苦手な人、基礎が解けない人というのは単純に覚えるべき基本的な解法パターンを覚えていないというだけの話なのです。

② 数学が苦手な原因2つ目

注目

初めから深い理解をしようとしている

先ほど、大学受験の数学は解法パターンを覚えているかどうかが重要と書きましたが、これは理解がいっさい必要ないというわけではないです。二次試験に出るような難問を解けるようにしたり、初見の問題でも自力で完答できるようにするには、深い理解が欠かせません。しかし、それはあくまで解法パターンを使えるようになった後の話です。皆さんがいまやるべきは、その解法パターンを使えるようにする段階。つまり、参考書演習で何度も反復しながら、まずは解き方の型を覚える段階です。具体的にやることは、以下の記事で紹介しているので、こちらをご覧ください。



さて、ここまではまだ基本的な解き方を覚えていない人が対象でしたが、数学に苦手意識のある受験生の中には、こんな人もいるのではないでしょうか。

いつも使っている参考書の例題は覚えているから解けるけど、類題になったりすこし問われ方が変わると解けないんだよな。このケースは、偏差値でいうとだいたい50〜55くらいの受験生が該当します。これらの人は、頻出パターンの知識は入れている場合が多いです。しかし、類題や問われ方が変わった問題に当たった経験が少ないので、身につけている知識と一緒の解き方だということになかなか気づいていないパターンです。

そのため、このケースもやることは同じです。類題が載っている参考書や、問題集の中の類題コーナーを中心に反復演習することで、この類題も別の書き方がされている問題も同じく問題Aの解法パターンに落とし込めるんだなというように、同じ解法に行き着くパターンの経験知を増やしていけば解けるようになります。

ここまでができれば、数学の偏差値は60を超えてきます。つまり、この時点ですでに数学は苦手教科ではなくなっているというわけです。もしこれよりも上を目指すのなら、先ほど紹介したように根本からの理解と応用練習が必要になってきます。

マネーキン
マネーキン


しかし、ここまで読んだ皆さんならもうお気づきかもしれませんが、じつは応用もこれまでの基礎の延長です。応用問題は基本的な解法パターンを組み合わせて作った問題です。そのため、どう組み合わせればよいのか経験知をためていけば解けるようになります。

どういうことかというと、問題演習を進めて経験をためていっていると、必ず一度は解けない問題に直面することになります。その時に基礎的な解法パターンが身についていると、解法パターンはどう組み合わさっているのかなという視点で解説を読み進めることができるようになります。その過程で、覚えていた解法パターンはこんな使い方もできるんだという新たな発見が出てきて、それがいわゆる深い理解へとつながっていくのです。

この現象、先ほど紹介したなにかに似ていますよね。そうです、類題が解けるようになる過程と同じなのです。つまり、数学の応用問題に関しても、勉強の進め方さえ知っていれば数学が苦手な皆さんでもできるようになるというわけです。

数学は最初の思い込みが重要

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皆さんが数学に対して苦手意識を持っているのは、過去に算数や数学で点数が悪かった記憶が強く残っていたり、授業で取り残された記憶がついてしまっていたりと、何らかの過去の嫌な思い出がきっかけではないでしょうか。

筆者も、小学生の頃までは理数科目が好きでしたが、中学校に上がると覚えないといけない公式や知識が増え、それをきっかけにサボってしまったことで授業についていけなくなりました。

それから高校2年の冬まで、数学に対してどこか苦手意識を持ったまま過ごしていましたが、覚悟を決めて初歩中の初歩からやり直したところ、数学が苦手という認識はなくなりました。むしろ、理工系最難関と言われる東工大を受けるまでには自信がつき、得点源の一つにもなりました。

皆さんも、今はまだ苦手意識があるかもしれませんが、数学はやることさえやれば誰でも点が上がる教科なので、ぜひ「最初は覚えて使えるようにするだけで十分」くらいの気持ちから始めてみてください。具体的な勉強方法については、以下の記事にまとめています。