今回は「大学受験では苦手科目を克服するよりも、まずは得意科目を伸ばすべき理由」について紹介します。
受験勉強には、最初に勉強すべき科目や、勉強すべき順番が存在します。
受験は制限時間内で如何に効率よく点数を伸ばすかで勝負の結果が変わってくるからです。
そこで今回は、受験という制限時間内に成績を効率的に上げることができる勉強順について紹介したいと思います。
効率的に成績を伸ばすなら得意科目から勉強すべし
成績の上昇に時間がかかる科目として以下の3科目が挙げられます。
- 英語
- 数学
- 国語
成績の上昇に時間がかかるのは上記3科目なので、これら3科目は最初に勉強に取り掛かるべきです。
その時の勉強パターンとしては以下の3つがあります。
- まんべんなく3つとも取り掛かる
- 3科目のうち2科目を選んで取り掛かる
- 1科目に集中する
勉強パターンとしては上記の3パターンがあるのですが、一番効率よく全体の成績を上げることができる勉強法は『3番目』です。
つまり、受験勉強はまず、数学・英語・国語のうちのどれか1科目に注力するべきなのです。
そして、その選ぶ1科目というのが「自分の得意科目(あるいは好きな科目)」です。
苦手科目よりも1つの得意科目に注力するべき理由
普通に考えれば、点数が一番高い得意科目(or 好きな科目)の点数を伸ばすよりも、苦手科目を克服した方が総合点は上がりやすいですよね。
にもかかわらず、なぜ苦手科目の克服よりも先に得意科目を伸ばすべきなのでしょうか。
実はこれには以下の通り2つ理由があります。
- 勉強効率の観点のメリット
- 精神的観点のメリット
それぞれについて理由を説明すると、以下のようになります。
1.勉強効率の観点のメリット
- 1教科に注力すれば反復サイクルを早めて効率的な定着を期待できる
- 問題集や参考書1周にかける時間が長引けば長引くほど定着効率は落ちる
- 1科目がある程度のレベルに達してから別の科目に同様の方法で移ること
得意科目に注力する理由の一つとして「勉強効率」があります。
例えば、勉強時間9時間を数学・英語・国語の3科目に分散してBETした場合、勉強時間はそれぞれ3時間ずつになります。
一方、もし1科目に全BETした場合、その1科目の勉強時間は9時間になります。
勉強時間を分散した場合、1科目BETの時に比べて勉強の進行が1/3倍になります。
受験勉強で成績を効率的に伸ばすコツは「反復学習」です。
同じ問題集を何周かする「反復」が最も効果的なのです。
もし勉強時間を確保できれば、反復サイクルを早めることができます。
反復サイクルを早めれば、頭から知識が消え去る前にもう一度触れることができるので、脳への定着が早くなります。
一方、勉強時間を分散した場合、反復サイクルの早さが1/3倍になります。
そのため、2周目までの期間が開いてしまいます。
このサイクル期間の開きが脳からの知識の漏れにつながり、定着の遅延の原因になってしまいます。
また、少し問題集を進めるたびに過去を振り返る勉強法も同様に非効率です。
短期間で1科目に注力するのであれば、参考書や問題集を1周するのにそれほど時間はかかりません。
なので、立ち返りながら進めるよりも、一気に最後まで学習した後に、2周目, 3周目と反復した方が最終的な定着がいいです。
勉強効率は、問題集や参考書の1周までに時間をかければかけるほど落ちてきます。
そのため、まずは1科目に注力して反復を繰り返し、ある程度のレベルまで伸ばすことが大切です。
そして、その選ぶ1科目というのが「自分の得意な科目(あるいは好きな科目)」です。
理由は「得意であるがゆえに(好きであるがゆえに)演習がはかどり、1周までの時間を短縮できるから」です。
これが、得意な科目(あるいは好きな科目)にまずは注力するべき理由です。
そして1科目がある程度のレベルまで達したら、次に別の科目あるいは苦手科目を同じ方法で取り組めばいいでしょう。
その時に、ある程度まで仕上げた得意科目の復習時間を少し取ってください。
一切触れないと頭から抜け落ちてきてしまうので、勉強時間のうちの1/3~1/4ほどを得意科目の復習に費やすようにしましょう。
2.精神的観点のメリット
- 苦手科目よりも得意科目(好きな科目)の方が取り掛かりやすい
- 1つ自信のある科目を作っておくと精神的負担が減る
上記の2つ目のメリットに関してですが、例えば模試を考えてください。
【① 3科目に分散して勉強した場合】
- 英語:30点⇒45点
- 数学:40点⇒55点
- 国語:20点⇒35点
合計:90点/300点⇒135点/300点
【② 1科目(数学)に注力した場合】
- 英語:30点⇒30点
- 数学:40点⇒85点
- 国語:20点⇒20点
合計:90点/300点⇒135点/300点
結果的に総合得点は同じですが、科目ごとの点数の伸びが異なります。
この場合、①と②のどちらが今後の勉強に自信を持って取り組めるでしょうか。
おそらく多くの人は②だと思います。
このように、得意科目(好きな科目)に全BETして成績を伸ばすことができれば、他の科目への勉強意欲や自信もわいてきます。
これが、次の苦手克服へのやる気や熱意にもつながってきて、さらなる効率化にもつながるのです。
一方①の場合どうでしょう。
総合得点は上がりましたが、どの科目もいまいちパッとしませんよね。
「自分は何か勝負できる科目はないのだろうか…」と不安になりかねません。
受験勉強というものはメンタルがすべてです。
そういう意味でも、まずは得意科目(好きな科目)に全BETするメリットは大きいです。
得意科目から苦手克服へ移行するタイミング
得意科目に絶対的な自信がある人
- 続けて得意科目に全BETでも可
得意科目に絶対的までの自信はない人
- 苦手科目の克服をするべき
移行するタイミング
- 得意科目の偏差値が58~60を超えたタイミング
志望校合格に大切なのは「合格点を取ること」です。
そのため、合格点さえとれば、例え0点の科目があっても問題なく合格できます。
得意科目で苦手科目を補って合格点が取れるのであれば、苦手科目を捨てて得意科目に全BETでもいいでしょう。
一方で、得意科目で苦手科目を補う自信のない人の場合は、苦手科目を克服する必要があります。
その場合、得意科目から苦手科目対策へ移行するタイミングが重要になってきます。
タイミングとしては、得意科目の偏差値が58~60を超えたタイミングです。
その際に気を付けるのが、「勉強時間の1/3~1/4は得意科目に割り当て、残りの時間を苦手科目の克服に全BET」することです。
大学受験で逆転合格するための勉強順まとめ
今回の内容をまとめると以下です。
問題集や参考書の1周までの早さが効率に関係
- 得意科目(好きな科目)であれば、参考書1周までが早くなる
得意科目を武器にすれば、連鎖的に他の科目も上昇
- 得意科目に自信が出てくると他の科目の勉強意欲にも貢献
得意科目から苦手科目への移行タイミング
- 得意科目の偏差値が58~60になったタイミング
不安が残ることもあるでしょうが、是非今の自分の得意科目や好きな科目から全力で取り組んでください。
続けていれば、必ずその1教科が自分の武器になり、絶対的な自信につながります。