今回は『大学受験で”参考書を買いすぎると良くないというのは嘘|正しく複数の参考書に手を出すべき』について紹介します。
よく教師の発言やネット上での情報で、「複数の参考書に手を出す奴は受験に落ちる」とありますよね。
しかし、実はこの『複数の参考書に手を出す奴は受験に落ちる』という理論は誤りです。
むしろ複数の参考書に正しく手を出した人間こそ、効率よく成績を伸ばすことができます。
たしかに誤った方法で複数の参考書に手を出した人間は落ちます。
そこで今回は、正しく複数の参考書に手を出す方法について紹介したいと思います。
マネー金
大学受験で”参考書を買いすぎるな”が誤りの理由
- 正しい演習さえ行なえば、参考書を複数演習した方が圧倒的に効率的
本来は効率的であるはずなのに、なぜ大学受験において”複数の参考書に手を出すことがNG”と言われているのでしょうか。
【NGと言われる理由】
- 知識の定着が中途半端になり、かえって非効率になってしまうから
これは誤った演習をした人の場合の話です。
参考書の構成的に複数手を出した方が良い
【参考書の構成】
- 基礎問題:どの参考書でも同様の内容
- 超頻出問題:どの参考書でも同様の内容
- 標準問題:参考書によって問題が異なる
- 応用問題:参考書によって問題が異なる
- 参考書を複数演習した方が類題の定着や幅広い問題知識の網羅ができる
※ただしこれは理想的な話
参考書の構成は基本的には上記のようになっています。
基礎問題や超頻出問題は、基本的には同じような問題が掲載されています。
一方で、標準問題や応用問題の場合は、参考書レベルが同程度でも掲載されている内容が異なる傾向があります。
そのため、基礎問題や超頻出問題の演習だけが目的の場合は、レベルが同程度ならどの参考書を選んでもそれほど違いはありません。
しかし、標準問題や応用問題の演習が目的の場合は、どれか1冊だけの演習では多くの問題パターンを網羅できません。
また、問題文が同じ問題を何度も解くよりも、問題文が少し異なっている類題を解いた方が本当に使える知識がつきます。
ただし、これは理想的な話の場合です。
もしこの理想的なルートを全員が歩んでいたら、参考書コレクターが受験に失敗することはないでしょう
複数の参考書に手を出すメリットデメリット
【メリット】
- 新しい問題の演習になるので、勉強のやる気への刺激になる
- 同じ問題だけでなく類題演習ができるので、定着している知識の適応力が向上する
- 問題の種類を網羅することにより、知識の片寄りを防ぐことができる
【デメリット】
- 参考書1冊当たりの反復演習が雑になる(知識の定着の中途半端化)
- お金が参考書の冊数分多くかかる
- 演習に時間がかかる
複数の参考書に手を出す場合のメリットとデメリットは上記の通りです。
複数の参考書に手を出す時の最大のデメリットは『参考書1冊当たりの反復が雑になること』です。
これは、メリットである『新しい参考書の勉強に対する刺激』を求めてしまうからです。
つまりメリットとデメリットが表裏一体となっているのです。
逆に、この表裏一体のメリット・デメリットの利用の仕方で、大幅にパフォーマンスを上げることができると言えます。
1冊の参考書だけを完璧にするメリットデメリット
【メリット】
- 一冊を反復することで知識が定着しやすい(中途半端化を回避できる)
- 参考書の1周に時間があまりかからない(何度も解いているとその問題に慣れてくるため)
- お金がかからない
【デメリット】
- 問題のパターンを網羅的に学ぶことができない(知識に偏りが生じる)
- 真に理解しているのか、それともただ問題文ごと暗記しているのかの判別がつきにくい
- 同じ問題の反復演習なので刺激がなく、勉強に飽きやすくなる
勉強に対する刺激の少なさや飽きが最大のデメリットです。
さらに、本当にその問題の解法を理解しているのか、それともただ問題文ごと暗記しているだけなのか判断がつきにくいのもネックです。
結論
- 新しい参考書の刺激を求めて参考書1冊当たりの演習が雑になることを解決できれば、複数の参考書に手を出した方が成績が上がる
参考書コレクターが受験で失敗しやすいと言われる理由は、次の参考書の刺激を求めすぎるがゆえに、1冊当たりの演習が雑になるからです。
1冊の演習を正しく行なって次に進めば、これほど効果的な勉強法はありません。
大学受験で複数の参考書に正しく手を出す方法
では、『正しい参考書の演習方法』とは何なのでしょうか。
参考書1冊当たりの正しい演習方法
各科目の参考書1冊当たりの正しい演習法は以下の記事に載せているので、是非ご参考ください。
次の参考書の正しい演習方法
上の記事で紹介している1冊の参考書の演習が終われば、次の参考書に移ります。
その際の次の参考書の演習方法については、以下の通りに演習してみてください。
- 最初から最後まで一通り解く
- 出来た問題はもう解かなくて良し
- 出来なかった問題は3回〇がつくまで反復演習
- ①~③が終われば次の参考書に移って同様の作業
- ある程度問題のパターンが定着するまでは上記の方法で演習をする(科目偏差値64程度まで)
- ある程度定着したら、応用問題1問をたとえ分からなくても最低15分は粘って、あらゆる視点から考えるクセを付ける
上記のフローを辿れば、『基礎知識(土台)の網羅(安定)』『基礎知識を利用した応用力』の両方が効率的に獲得できます。
複数の参考書に正しく手を出すべき理由まとめ
- 真に勉強の効率化を求めるのであれば複数の参考書に手を出すべき
- 複数の参考書演習は『網羅的な知識』と『問題適応力』が効率よく身につく
- しかし複数の参考書に手を出す場合、”正しい”演習をしなければ受験に失敗する『参考書コレクター』に成り下がる
- 科目偏差値64程度までは複数の参考書を反復演習、その後応用問題1問を最低15分は粘って考えるクセを付けること
- 『基礎知識の定着(暗記でも可)』に『考えるクセ』が加われば、それが真の『応用力』である
参考書コレクターはタブーとされていますが、正しく演習できる参考書コレクターであれば受験界の神になれます。
ただ、参考書を集めたがる人は『新しい参考書演習の刺激を強く求める傾向』があるので、参考書1冊で正しい演習が終わるまでは我慢してみてください。
それさえできれば、参考書コレクターは受験界において最も強い存在になれます。
偏差値を短期間で30~40上げるような逆転合格も夢ではなくなるでしょう。
是非今回の記事を参考に、参考書演習を行なってみてください。