【原因特定】定期テストはできるのに模試はできない高校生は危険

今回は「【原因特定】定期テストはできるのに模試はできない高校生の弱点」を、学年最下位から東工大に合格した筆者の経験をもとに紹介します。”定期テストでは点数がとれるのに模試になるとなぜか点数がとれない”。そんな高校生も少なくないと思います。

これは皆さんだけでなく、意外と多くの高校生、そして受験生が悩むポイントでもあります。しかし、この現象にはちゃんと原因があるので、その原因を理解した上で対処すれば模試でも点数がとれるようになります。

模試になると点がとれない原因

定期テストから模試になると急に点数がとれなくなる原因には大きく分けて以下3つがあります。

点がとれない原因
  • 丸暗記で点数をとっている
  • 定期テストが模試よりも簡単
  • 模試の出題範囲が定着してない


いまの皆さんは、上記3つのうちのどれかに属しています。どのケースに属しているかによって今後の対策が変わってくるため、今からどのタイプなのかを一緒に診断していきましょう。

丸暗記で点数をとっている

根本的な原因

暗記フェーズ”の次の段階である”理解フェーズ”まで対策ができていないため模試で点がとれなくなる

定期テストはテスト範囲が特定的、かつ出題される内容も問題集と同じか少しだけ数字が異なっている程度なので、もし定期テストの点数を暗記でとっていた場合は模試では通用しません。これは非常に厄介なことに、本人が暗記をしているつもりがなくとも、何度も同じ問題を繰り返し演習していると無意識に丸暗記をしているものです。

しかし、この「無意識の暗記フェーズ」でできた気になってやめてしまうと、暗記知識のレベルで終わります。もちろん、勉強はまず知識を入れるところからスタートなので暗記をすることは悪ではありませんが、暗記をして使えるようになったら、次はその知識を理解をしてあげる必要があります。

模試の場合はここまでができて初めて点数につながるので、あともう一歩ということです。まとめると、このケースにおける定期テストと模試の点数差は「”暗記フェーズ”の次の段階である”理解フェーズ”まで対策をしているかどうか」であると言えます。

判断1日頃から受験対策をしていない
判断2定期テスト中心に対策している
判断3模試になると学内順位が下がる

このケースに該当するかどうかを判断する材料は3つあります。1つ目は、日頃から自分で受験に向けた勉強を進めているか。これは、定期テストで点数をとるためではなく、受験本番で問題を変えられても解けるように理解しようとしているかということです。

2つ目も1つ目に似ており、定期テストで点数をとることのみを視野に入れて勉強していないかということです。この傾向が強い人は、定期テスト対策が丸暗記に偏りやすいので注意が必要です。

3つ目は、もし仮に丸暗記によって定期テストの点数がとれていただけだとしたら、模試では学内順位(クラス順位)が下がる可能性が高いため、判断基準として適しています。以上の判断要素をもとに、丸暗記になってしまっていないかを確認してみてください。

定期テストが模試よりも簡単

根本的な原因

このケースは模試で点が下がるのは必然なのでそれよりも学校より先取りして自力で進めることに意識をおく

定期テストが模試よりも簡単な場合、その程度にもよりますが、模試で思ったより点をとることができません。例えば、学校の定期テストのレベルが数学チャート式の例題★1レベル、模試が例題★3レベルから出題されていた場合を想像してみるとわかりやすいと思います。これは極端な例でしたが、学校のテストと模試のレベルがかけ離れている場合、当然模試の方が点数が下がってしまいます

これは皆さん自身が悪いというわけではなく、必然的にどうしてもこうなってしまうので、この場合は模試で下がってしまうこと自体は気にしなくてよいです。それよりも、模試で点をとれるようにするために、いかに学校よりも先取りで進めていくかに今後は注力するとよいですね。

判断1模試がけっこう難しいと感じる
判断2学校の偏差値が一般的に低め
判断3模試でも学内順位は変わらない

このケースに該当するかどうかを判断する材料は3つあります。1つ目は、定期テストと模試で難易度が異なる場合、受けた時の難しさのイメージが異なるはずなので、もし時間があれば同時期の定期テストと模試を比較してみてください。その時にですが、難易度の違いには「単純な問題のレベル」の場合もあれば、「分量に対する制限時間のタイトさ」の場合もあるので、何の難易度が異なるのかを見てあげると、より正確な原因を特定することができます。

マネーキン
マネーキン

2つ目は、1つ目と同じような意味合いですが、学校の偏差値が低い場合は定期テストも簡単であるケースが多いため、判断材料の一つとして取り入れやすいです。模試には、進研模試のように受験層のレベルがやや低めの模試や、駿台模試のように受験層のレベルが高い模試や、河合模試のように受験層のレベルが一般的な模試など、それぞれ難易度の特徴があるため、どの模試で点数がとれなかったのかを把握しておくと比較しやすいです。

3つ目は、もし定期テストと模試の難易度だけが異なる場合、他の同級生も同じく点数が下がるはずです。つまり、このケースの場合、学内順位(クラス順位)はそれほど変わらないはずということです。もしこのケースで順位が大きく変わるのであれば、それはテストと模試の難易度の差ではなく、単純に本当の実力が違ったということになります。

模試の出題範囲が定着していない

根本的な原因

定期テストごとに各範囲を勉強しているけどそれ以降復習をしていないので知識が抜けていっている

模試の出題範囲は定期テストの出題範囲よりも圧倒的に広いです。高2、高3と学年が進むにつれ、習ったうちの全範囲から出題されるため、日頃からしっかりと対策をしていないとなかなか直前だけではカバーできません。定期テストで点がとれるのに模試で点がとれないケースで最も多いのは、定期テストごとに各範囲を勉強しているけど、復習をしていないので知識が抜けていっているというケースです。

マネーキン
マネーキン

じつはこのケースが一番厄介で、どこの知識が身についていて、どこの知識があいまいなのか、本人も把握していない場合がほとんどなので、知識の穴埋めをする前に、まずはその穴を見つけていく作業からし始めなければいけません。この時に方法は2つあります。

方法1模試結果のうち失点が大きい単元
方法2参考書を1周して苦手を炙り出し

方法1は、そこそこ知識が身についている人の場合ですが、模試の結果を見て失点が大きい単元から順に復習していく方法。方法2は、定期テストが終わったと同時に知識が抜けた人の場合ですが、一度参考書を1周分通しで演習をしてみる方法。

いうまでもなく、後者の方が大変な作業です。しかし、残念ながら多くの人は方法2の方に該当しているため、模試で点数をとりたいのなら、どこかで覚悟を決め方法2を行う必要があります。どのみち受験では必須になる作業なので、もし今このケースが原因とわかったのであれば、少しずつ自学で復習をし始めてみてください。

判断1定期テスト以外自学をしてない
判断2記憶があいまいな単元が多い

このケースの判断基準は非常に単純です。定期テスト対策以外に自学の時間を設けていない人や、直近の定期テストの範囲以外の記憶があいまいであると自覚している人が該当します。

模試の失点原因をつぶす方法

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模試で点数をとるためには、解ける問題の量を増やすか意図しない失点を減らすか、どちらかの対策をしなければなりません。解ける問題の量を増やす方に関しては、これまで以上に勉強量を確保するしか解決方法がないため、ここではすぐに対策を行える意図しない失点の減らし方について紹介します。

意図しない失点とは
  • 簡単なケアレスミス
  • 焦りによる能力低下
  • 雑念による能力低下

簡単なケアレスミス

どれだけ実力をつけてもケアレスミスをゼロにするのはなかなか難しいですが、大幅に減らすことはできます。ただ、そのためにはケアレスミスの種類を把握する必要があります。

ミスの内容対処法
ミス例 ①問題文の読み間違え解く時に注意を払う
ミス例 ②自分で書いた字の読み違え解く時に注意を払う
ミス例 ③回答場所の書き間違え後でまとめて確認
ミス例 ④計算結果の間違え全部終わった後に確認
ミス例 ⑤選択肢の選び間違え全部終わった後に確認
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代表的なケアレスミスを上表にまとめましたが、この5つはそれぞれで対策の仕方が少しずつ異なります。ミス例①とミス例②は問題を解き進める時に丁寧に注意を払いながら対処をする。ミス例③はすべての問題を解き終わった後や区切りのいいタイミングで見返すことで対処をする。とミス例④とミス例⑤はすべての問題が解き終わった後で確認して対処をする。

ミス例④⑤は数学や英語でよくやってしまうミスです。これらは、解き進める時にも当然注意を払ってほしいですが、いくら注意をしていてもミスをする時はします。なので、すべて解き終わった後、あるいは途中で全問回答を諦めた際に確認し直してみてください。ミス例③に関してはマーク試験などでよく発生するミスかと思いますが、これらの単純作業ミスは後でまとめて行うのが効率的です。確認時間を3分程度残しておくとよいでしょう。

もしこれら以外のケアレスミスがある場合は、模試やテストの回答を見返してみて、ケアレスミスをしている箇所を見つけてください。そして、それらのミスがどのような種類のミスなのか、都度メモをしていくと頻度が高いミスの種類を把握することができます。

焦りによる能力低下

焦りによる能力低下の原因には大きく分けて2つあります。

原因1点をとりたい気持ちが強い
原因2時間内に回答する練習不足

原因1の「点をとりたい気持ちが強い」場合、”もっと点をとりたい、もっと点をとらなければいけない”という気持ちから過度な焦りが生じやすいです。しかし、なんとも皮肉なことに、このケースに陥ると確実に獲得するべき箇所をミスなどで落としてしまい、得点を失いやすくなります。

なので、もし本当に点をとりたいのであれば、すべての問題を無理して解こうとするのではなく、確実に点がとれる箇所をミスなく確実にとるようにしましょう。これが、最終的に高得点につながっていきます。

原因2の「時間内に回答する練習不足」に関しては、まさに言葉の通りです。時間制限内に解ききる練習を普段からしていると、解く時の時間配分が上手くなります。人は想定できないことが生じると焦るので、あらかじめ時間配分が上手くできていれば、焦りは少なくなります。日頃からタイマーで時間を設定しながら解く練習をしてみてください。

対処1確実にとれる問題に時間をかける
対処2日頃から時間を測って解く練習

雑念による能力低下

これは、周りのペンの音や鼻をすする音など、雑音が原因で雑念が生じるケースです。いわゆる、気が散って集中ができないというものですね。これに関しては、慣れることが一番の対策です。例えば、試験の経験回数を増やすために、受ける模試の量を増やしたり、たまにカフェなどの雑音がある環境で勉強したりなど、周りの人から生じる雑音に慣れておくようにしましょう。

模試で点をとるための勉強法

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模試で高得点をとるためには、最終的に普段からの勉強量の積み上げが必須です。しかし、ただたくさん勉強をしたからといって一朝一夕に成績は伸びません。正しい方向に正しい量の努力をする必要があります。

成績が良くない状態からどのように勉強をすれば偏差値が上がっていくのか。偏差値を39から70まで独学で伸ばした勉強法のすべてを、以下の記事に詰め込みました。