志望大学への逆転合格に必要な勉強時間とできる受験生の特徴

今回は「志望大学への逆転合格に必要な勉強時間とできる受験生の特徴」を、学年最下位から東工大に合格した筆者の経験をもとに紹介します。今から本気で勉強したら間に合うのか、このままの勉強ペースで合格できるのか。志望大学の合格可能性が気になる受験生も少なくないでしょう。じつは、逆転合格には必要とされる勉強時間と共通する特徴があるのです。

逆転合格を成功させるためには、その「逆転合格という現象」を理解して、必要とされる行動を起こす必要があります。では、よく言われる逆転合格という現象にはどんな要素が含まれているのか。じつは、皆さんがよく目にする逆転合格という言葉のウラには、以下に列挙するような真実が隠されています。

逆転合格のウラ側逆転合格の決め手
ケース1所属している高校の学力レベルが高いハイレベルな中学・高校受験での成功経験を活かせた
ケース2偏差値の算出元の集団がハイレベル層実際は表示されている偏差値よりはるかに学力があった
ケース3授業を通して無意識のうちに学力がついている授業やテストを通して無意識のうちに基礎力がついていた
ケース4絞って対策をしていた箇所が運よく出題された完璧に対策をする箇所を絞った勇気と運要素が強く絡んだ
ケース5勉強量が一般的な合格ボーダーに達する量だった志望大学の合格に必要とされる平均の勉強量を確保できた
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逆転合格とは、一般的に考えて合格が難しいとされる状況から合格をした現象を指した言葉です。その一般的というのは、学力から周りの環境から努力に対する耐性から性格まで、あらゆるものが平均的な場合を想定した言葉です。

上表で紹介した5つのケースは、どれも一般的な受験生を基準に考えると特例に該当します。ケース1の場合は、そもそもが一握りほどであるハイレベル集団に属しているケース。ケース2の場合は、表示されている偏差値が低めに見積もられているが、じつは実力者であるケース。ケース3の場合は、自分では勉強をしていないと思っていたが、じつは無意識的に勉強が捗っていたケース。ケース4の場合は、当然実力も最低限は身につけているが、運の要素が通常よりも大きく働いたラッキーケース。ケース5の場合は、本人による血の滲むような努力により力技で努力量を一般合格者まで追いつかせたケース。

どれも、一般的な受験生とはすこし外れたルートになります。一見華やかでスマートに見える逆転合格という現象のウラには、このような真実が隠されているのです。

では、この5つのケースのうち皆さんはどこに該当するのか。あるいは、どのケースであれば今からでも目指すことができるのか。これが、逆転合格を狙うために今から考えていく戦略になります。

マネーキン
マネーキン

ちなみに筆者の場合は、中学レベルが身についていない状態から2年弱で東工大に合格し、異例の合格だと地元および東工大の同級生・教授陣から言われた、いわゆる逆転合格を叶えた人間でした。しかし、じつはなに一つとしてすごいことを成し遂げたわけではありません。

ケース5にて、ただがむしゃらに必死で勉強量を重ねて、一般合格者に必要な勉強量を無理やり積み重ねただけでした。筆者の逆転合格のウラ側は、5つのケースの中で一番華やかではない、単なる気合いによるパワープレイだったというわけです。

逆転合格に必要な勉強時間

では、皆さんの場合は5つのケースのうちどれを狙えばよいのか。もしもケース1〜3に該当するなら、逆転合格を狙う受験生の中では、比較的ラクに逆転合格を成功させることができるかもしれません。しかし、この3ケースは5ケースの中でもさらに特別な条件なので、一般的な境遇の受験生はケース4とケース5をおすすめします。

ただし、ケース4に関しては諸刃の剣戦法なので、運が外れた場合はあっけなく失敗します。そのため、もしケース4を狙う場合は、もはやどれだけ勉強したとしても圧倒的に時間が足りないと分かりきっている時のみ選択することをおすすめします。それ以外の受験生の場合は、ケース5を狙っていきましょう。

偏差値ごとに必要な勉強時間の目安

以下の表は、該当の偏差値を上げるために必要な勉強時間の目安になります。ケース1であれケース5であれ、志望大学合格に必要な勉強量という条件は変わりません

それが、授業中に無意識的に蓄積したものなのか、自学で意図的に蓄積したものなのか、中学・高校受験時代から蓄積したものなのか、タイミングや場所が異なるだけです。ですので、皆さんがまずやることは、どれだけの勉強量が必要になるのか目指すべき目安を知っておくこと。

マネーキン
マネーキン
必要な勉強時間の目安
偏差値30から偏差値40まで450時間
偏差値40から偏差値50まで900時間
偏差値50から偏差値60まで1350時間
偏差値60から偏差値70まで1800時間
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マネーキン
マネーキン
必要な勉強時間の目安
偏差値30台の時45時間
偏差値40台の時90時間
偏差値50台の時135時間
偏差値60台の時180時間
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志望大学の偏差値と今の自分の偏差値が把握できていれば、どれくらいの勉強時間が必要になるのか、その目安を把握できるようになります。

勉強量を増やすためには

勉強時間の目安がイメージできたら、いよいよ目標に向けて勉強を進めることになります。ただ、目標が明確になったからといってすぐに頑張れるものでもありません。昨日まで3kmを15分で走っていた人が、いきなり9分で走るなんてのはほぼ不可能です。そのため、ここからは「どうしたらこれまでよりも勉強量を増やして集中できるか」を考える必要があります。そのためには、それを可能にする環境づくりが欠かせません。以下の記事で具体的な方法を紹介しているので、興味があればこの記事の後に見てみてください。

逆転合格できる受験生の特徴

志望大学に逆転合格する受験生には以下3つの特徴があります。

3つの特徴
  • 選択と優先順位づけができる
  • 自分で環境を整えられる
  • 自分の実力を疑っている

特徴1:選択と優先順位づけができる

時間がない中でパフォーマンスを発揮ためには、すべてに平等に力を注いでいたのでは到底間に合いません。そんな時に必要なのが、優先順位づけと覚悟を持った選択。

例えば、志望大学の数学で二次曲線の単元が5年に1度しか出ていないとわかったとします。この時、対策をするという選択と対策をしないという選択が生まれます。もしかしたら出るかもしれないし、出ないかもしれないという状況の中で、皆さんならどちらを選択しますか

おそらく、時間があればさらっと1周分触れておいて、すこしでも記憶に残そうとすると思います。では、どのような選択と優先順位づけがされたのか。「他の頻出単元に比べて優先順位は低いため、基本的には対策をしないという選択を取るが、もし時間が余れば頭の片隅に残る程度には対策をしておく」。このような思考をされたのではないでしょうか。

これがいわゆる選択と優先順位づけです。このように、受験中は時間が限られているため、日々あらゆる選択に迫られます。そんな中で、どのように優先順位をつけてどのように選択をするのか、毎回覚悟を持って決められる受験生は強いです。なぜなら、多くの人はなんだかんだ自分で選択をするのが怖くて、すべての対策が中途半端になってしまうからです。

特徴2:自分で環境を整えられる

必要な環境を自力で整えられる受験生はかなり強いです。例えば、家で勉強する時にすこしだけ休憩しようとして、気づいたら2時間も経っていたなんて経験をしたことはないでしょうか。この時、自分を変えようとするのか、環境を変えようとするのか、2種類のタイプに分かれます。

前者の「自分を変えようとするタイプ」は多くの人が当てはまります。しかし、残念ながら自分という人間の本質はなかなか変わらないため、このタイプの人はそのあと何度も同じような失敗をしてしまいます。この夏こそは早めに宿題終わらせると意気込んで、結局いつも通りになるケースが該当例ですね。

一方で、「環境を変える選択を取るタイプ」はすぐに改善が反映されます。例えば、やる気がなくとも図書館に行けば集中できる、などが該当例ですね。自分自身の性格や調子に左右されないような環境に無理やり身を置くという選択ができるので、再現性を持って改善がなされるというわけです。

このように、自分が頑張れる環境がどんなものなのか、その環境を整えるためにはなにをすればいいのかを考えられる受験生は、逆転合格をしやすいです。ぜひ、自分自身はどんな人間なのか、どんな環境に置かれるとどのような挙動をするのか、客観的に自分自身を見つめてみてください。

特徴3:自分の実力を疑っている

成績が上がり続けて最終的に逆転合格できる人は、いつもどこかで自分の実力を疑っています。もちろん、これは自分に自信がないわけではなく、客観的に自分を見つめる視点を持っているということです。

例えば、多くの受験生は「参考書を周回したから基礎はもう大丈夫」と声高らかに主張します。しかし、実際に目の前でテストを解いてもらうと、ほとんどの人が身についていない。そして、皆さん口を揃えてこう言うのです。勉強しているのになぜか成績が伸びません。

その理由は至って単純です。できている気になっているだけで、実際は身についていないから。基本的には多くの人が基礎を固められていません。これは、過去の筆者自身もそうだったため、自分への戒めでもあります。そして、筆者の場合は痛い目にあって初めてこの事実に気づきました。なので、皆さんにはそうなる前に意識しておいて欲しいのですが、なかなか痛い目を見る前からこれに気づくのは難しい。

だからこそ、ほんのすこしでもいいので、どこかで自分を否定する自分を持っていてください。そして、すこしでも理解度が怪しいと感じたら、ぜひ模試やテストの範囲別の失点率を確認して、自分の理解に穴がないかチェックしてみてください。

最後は犠牲を受け入れる覚悟

いろいろと紹介してきましたが、結局最後は「合格を勝ち取るための覚悟」が合否を左右します。あと1時間分ほど勉強量を増やせば受かりそうと思った時、その1時間分を増やすためにドラマを見ていた時間を削れるか。英単語を残り2週間であと1000語覚えないといけないと思った時、移動時間やトイレの時間など、これまで無だった隙間時間を有効活用できるか。

このように、それをすることで生まれる何らかの犠牲合格のために受け入れる覚悟があるかどうかで、最終的な合格可能性は変わってきます。ここに必要なものは至って単純。どれくらいその志望大学に受かりたいかです。ぜひ、最後まであきらめず、自分の志望大学を愛して、これからの受験勉強を進めてみてください。