【理系受験生】逆転合格のコツは「まず得意教科を伸ばす」こと

今回は「【理系受験生】逆転合格のコツは「まず得意教科を伸ばす」こと」について、学年最下位から東工大に合格した筆者の経験をもとに紹介します。

じつは、大学受験には「勉強する順番」というものが存在します。この順番がたった一つ入れ替わるだけで、成績の伸び方に差が生まれるということも少なくありません。

なぜなら、大学受験はやらなければならない量のわりに、残り時間が短く設定されているからです。今回の記事は、逆転合格を狙う理系受験生に焦点を絞った内容になります。

理系の場合、成績が伸びるまでに時間がかかる教科として、以下の順番が目安になります。

注目

数学 ≧ 英語 > 化学 ≧ 物理 ≧ 生物 > 国語 > 社会 ≧ 情報

① 数学範囲が膨大な上に知識の組み合わせができないと得点につながらないため
② 英語範囲は膨大だが極端に言えば英単語力があれば多少は得点につながるため
③ 化学現象をイメージしづらい上に覚える知識量も理解が必須な原理も多いため
④ 物理現象の理解に苦戦しやすい一方で覚えるべき知識量はあまり多くないため
⑤ 生物ある程度までの得点であれば暗記を中心に点数が比例して伸びやすいため
⑥ 国語二次試験まで対応するなら時間がかかるが共通テスト対策まででよいため ※東大京大は除く
⑦ 社会暗記量はやや多いが共通テストまででよいことと対策が限られているため
⑧ 情報一般的な情報リテラシーと数学(特にIA)知識があれば得点しやすいため
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英語と数学の場合

その中でも特に「英語」と「数学」は配点が高いことも多く、対策に時間がかかるため、優先的に注力する必要があります。ただ、そうは言ってもこう感じる受験生も少なくないのではないでしょうか。

理系なのに英語の対策にも時間かけなきゃいけないの?

じつはこれは逆で、理系だからこそ英語に時間をかけてほしいのです。

数学や理科は、大学の二次試験レベルによっては年度ごとに難易度が大きく変動します。どんなに難化しても安定して点数をとれるほど実力が突出していればよいのですが、そうでない場合は致命傷になります。

一方で、英語はそれほど大きく難易度が上下することはなく、さらに実力がつけば点数が安定しやすい教科です。合格可能性を上げるためにも、一握りの選ばれし者以外は英語を得意にしておくことを強くおすすめします。

さて、ではこの時点で「英語」と「数学」にまずは注力するという道が生まれました。しかし、この道はさらに以下の2パターンに分かれています。

  • まんべんなく2教科を勉強する
  • まずは1教科を選んで勉強する

※1教科が終わればその後もう1教科を学習すること

今回のテーマは「逆転合格」です。つまり、現状ではどの教科もまったく成績が伴っておらず、これから本番に向けてゼロから頑張っていきたいという受験生が対象です。

この場合は、2番の「どちらか1教科を選び勉強する」を選択することをおすすめします。

さらに、その選ぶべき1教科というのが、タイトルにもある通り「自分の得意教科(比較的好きと思える教科でも可)」になります。


理科の場合

理科の場合ですが、数学と英語の基礎参考書が固まった段階で取り組み始めます。逆にいえば、英語と数学がまだあやふやな場合は、理科よりも先に英語と数学に注力すべきとも言えます。

話を理科に戻しますが、基本的には物理・化学・生物の3科目のうち2科目を使う受験生が多いでしょう。理科の場合も先ほどの英語と数学と同様ですが、自分が得意とする科目(比較的好きだと思える科目)を1科目選んで、集中的に勉強していきます。

その選んだ1科目の学習が終われば、もう一つの科目に移行するという流れで進めていくのがおすすめです。具体的な移行タイミングややり方については、後ほど別章にて説明しますので、このまま読み進めてください。


その他の場合

その他の国語や社会や情報の場合ですが、これらは共通テストのみで利用する受験生がほとんどなので、英語・数学・理科のさらに後で学習していきます。学習する順番はどれからでも構いませんが、これらの教科に対する知識がないうちは、どれか1教科に絞って対策をした方が時間効率がよくなります。

基本的には夏休みや共通テスト直前期など、まとまった時間がとれる時に自学を進めていき、それ以外は授業中や休み時間を利用してできるだけ学習していくようにするとよいでしょう。


得意教科に注力する理由

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普通に考えれば、得意教科よりも苦手教科を先に克服した方が、総合点は上がりやすいと感じるでしょう。にもかかわらず、なぜ得意教科を先に伸ばすべきなのか。そこには、以下2つの理由が存在します。

  • 勉強効率の観点でのメリット
  • 精神的な観点でのメリット


1, 2のそれぞれについて、以下2つの章テーマにて詳しく説明します。

勉強効率の観点でのメリット

1教科に注力することで反復周期を早めて早めに定着させられる
1教科目で点数を伸ばした方法が他の教科にも同様に適用できる
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例えば

6時間を1教科に注いだ場合、その1教科の勉強時間は6時間になります。一方で、数学と英語の2教科に分散した場合、勉強時間はそれぞれ3時間ずつになり、1教科に注力した時に比べて勉強の進度が半減します。

受験勉強において成績を効率的に伸ばすコツは「反復学習」です。つまり、学習しようとしている範囲を決められた期間内にいかに反復するかが重要になるということ。

では、3時間に分散した場合と6時間かける場合、どちらが決まった期間内により反復できるでしょうか。当然6時間かける場合ですよね。

反復サイクルを早めることができれば、インプットした知識が頭から完全に抜け落ちる前にもう一度触れることができるので、定着が早くなります。

逆にいうと、勉強時間が分散した場合は反復サイクルが極端に落ちるため、もう一度触れるまでの期間が空いてしまいます。都度振り返ることでも解消できますが、先に進むスピードがガクッと落ちるというデメリットもあります。

逆転合格をしようとしている人には、残念ながらそれほど時間が残されていません。だからこそ、まずは1教科に絞って基礎とよばれる範囲までは一気に定着させた方が早めに前進しやすいのです。

精神的な観点でのメリット

苦手科目よりも得意科目(好きな科目)の方が取りかかりやすい
1つでも自信のある教科を作っておくと精神的な負担が減る
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例えば、模試で以下のような結果が返された時をイメージしてみてください。

英語学習前:10点学習後:40点
数学学習前:10点学習後:40点
合計学習前:20点学習後:80点
2教科に分散して勉強した場合
英語学習前:10点学習後:10点
数学学習前:10点学習後:70点
合計学習前:20点学習後:80点
1教科に注力して勉強した場合

前者は英語と数学に均等に時間を分配して勉強した結果、後者は数学のみに時間を注いで勉強した結果の例を示しています。この場合、おそらく多くの人は後者に魅力を感じるでしょう。

このように、得意教科(比較的好きだと思える教科)に注力して勉強をすることができれば、その教科に対する自信も湧くうえに、1教科を克服した勉強経験に対しても自信を持つことができるため、モチベーションにもつながりやすいです。

一方で、前者の場合だとどうでしょうか。もちろん点数的には成長をしていますが、一般的に見るとどちらも高い点数ではありません。勉強を頑張れば頑張るほど期待感は高まるので、この成長幅に満足ができなくなるのです。

大学受験はメンタルが命です。逆転合格を目指すような、あとがない人の場合は、ぜひ1教科に絞って基礎固めをしてみてください。

他教科への移行タイミング

注目

1教科目の偏差値が55〜60になった時

偏差値55〜60というレベルは、参考書1冊を仕上げることができた場合の指標です。しっかりと参考書1冊を反復して学習できれば、その教科は一旦基礎固めOKということになります。

1教科が固まれば、次は選ばなかった教科を選択して同じように集中的に勉強することになるのですが、この場合の注意点があります。それは、固めた1教科にも多少は勉強時間を割いてほしいということ。

例えば、数学の基礎が固まった後に英語を学習する場合、英語に70%ほど時間を割き、残りの30%は数学に割くというイメージです。これは、せっかく固めた数学の知識が、英語学習をする間に抜け落ちてしまわないようにするための対策です。

逆転合格のコツまとめ

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ここまでの内容を以下にまとめています。

まとめ1参考書1周にかかる時間が短いほど反復周回が増えて定着しやすくなる
まとめ21教科でも得意教科を作っておくと他教科の学習にも適用しやすくなる
まとめ31教科目から2教科目への移行タイミングは偏差値55〜60が目安 ※以降同様
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受験勉強はやらなければならないことがたくさんありますが、一つひとつクリアしていけば必ず前に進むので、ぜひ今回の内容をもとに勉強を進めてみてください。