今回は「【共通テスト】”理系なら地理選択”は危険|90点とれる勉強法と50点台の勉強法」について、学年最下位から東工大に合格した筆者の経験をもとに紹介します。
地理は他の社会科目に比べて、資料の読み取り力や論理的思考力が必要になります。ゆえに、理系は地理との相性がいいと言われています。しかし、じつはこれが罠なのです。理系の中でも、地理に向いている受験生と向いていない受験生がいるので気をつけてください。
目次
やり方を間違え50点台のまま終わった
受験当時の筆者は理系選択者であり、冒頭にもあったようになんの疑いもなく地理を選択しました。ある程度の知識をインプットすれば、あとは皆が言っているように比較的ラクに点を取れると思っていたからです。
さらに、心配性だった筆者は二次試験が主体の志望大学だったにも関わらず、なんだかんだ地理にもけっこうな勉強時間を割いていました。覚える必要のある基礎知識の暗記は抜かりないまで繰り返し、資料や地図の読み取り対策にも時間をかけていました。
しかし、その勉強量とは相反して、模試ではなかなか点を取ることができず、結局のところ本番でも50点台という点数を抜け出せませんでした。この頃にはすでに英数理を東工大レベルまで克服しており、勉強のやり方や点が伸びる構造などについてはある程度経験した後だったのですが、それが一切通用しませんでした。”もしこの時間を地理ではなく他の社会科目に使っていたら……”。そう後悔することもありました。
地理で高得点を取れる受験生と取れない受験生には特徴があります。
地理に向いている受験生の特徴
- 地理が好きな人
- 実践演習を好む人
- 時間をかけたくない人
- 高得点を取らなくていい人
地理は点数が安定しやすい科目と言われています。一般常識や資料読み取り問題も含まれているため、勉強をあまりしたことがない場合でも人によっては50点ほどは取ることができます。一方で、日本史や世界史など暗記量に左右される科目の場合、勉強をしなければ点数を取ることができません。
このように、地理には点数が伸びにくい一方で、勉強しなくてもある程度点数をとれるという特徴があります。そのため、社会でそれほど高得点を取る必要がない受験生や、あまり時間を割きたくない受験生には向いている科目といえます。
また、地理は実践演習の成果が強くあらわれやすい科目です。そのため、真面目に参考書学習を重ねて知識を積み上げるタイプよりも、最低限の知識を持ちながら実践演習を重ねるタイプの方が向いています。
筆者の場合は、参考書学習に時間のほとんどを割き、実践演習にあまり時間をかけられなかったことが失敗の要因となります。つまり、真面目な完璧主義タイプの性格の人がやり方を知らずに地理を選択すると、筆者と同じ経路をたどる可能性があるということです。
地理に向いていない受験生の特徴
- 地理が好きでない人
- 参考書演習を好む人
- 時間をかけられる人
- 高得点を取る必要がある人
先ほどお伝えしたように、地理は必ずしも努力量に比例して点数が伸びるとは限りません。勉強方法があっていなければ、努力をしても成長が見られないということも起こり得ます。もしも真面目で努力家な人や、社会に勉強時間を費やせる人は、理系文系問わず地理よりも他の社会科目を選んだ方が点をとりやすいかもしれません。
ここからは、50点台から抜け出せなかった筆者の勉強法と、90点以上で安定していた筆者の友人の勉強法を対比させながら紹介していきます。
50点から抜け出せない地理の勉強法
- 参考書を反復して基礎知識を定着
- 予備校の予想問題集で実践演習
- 実践演習の直しと失点問題の反復
上記は筆者がやっていた、本番で点数が取れなかった勉強法と使っていた参考書です。一見すると良い勉強法に見えますが、理系受験者の地理という観点では非常にムダの多い勉強法です。
理由はこれまでに繰り返している通り、実践演習にかける時間が減ってしまったからです。共通テスト地理では、いかに最低限の知識を素早くつけて、実践演習にてトライアンドエラーを繰り返すかが重要になります。
90点で安定する地理の勉強法
- 参考書にさらっと目を通す
- 共通テストの実践演習
- 直し時に参考書で辞書的に調べる
- 再び同じテストを2回解き直す
- 苦手問題をコピーしノートに貼付
- 終われば新しい問題で実践演習
上記は90点以上で安定していた友人の勉強法と参考書です。地理の勉強時間が筆者より少なかったにも関わらず、40点ほども差が開いていました。先ほど実践演習が大切と書きましたが、もちろん基礎知識がゼロでは意味がありません。かといって、完璧に覚える必要もありません。では、どうすればよいのか。
そこでやってほしいのが、最初は参考書を1周分さらっと読んで、全体の流れや知識をざっくり頭に入れる。全体のイメージがついたら、次は実践演習に移ります。ここで重要なのが、共通テスト本番の過去問を使うというところ。
筆者の場合は河合のマーク問題集を用いたのですが、回によっては本番よりも難易度が明らかに簡単なものがありました。河合のマーク問題集では7割取れていたのに、過去問になると5割台まで落ちる。これが筆者の得点結果のパターンでした。ですので、皆さんの場合は、ぜひ共通テスト本番レベルの問題集で実践をしてみてください。
また、解き終わったらそこで終了ではなく、必ず時間をかけて答え直しをしましょう。その時にですが、知らない知識や勘違いしている知識が出てきたら、その都度教科書や参考書を開いて該当箇所を調べてみてください。地名などの場合は、地図帳を開いて場所を確認しておくとなおよいです。
答え直しが一通り終われば、さらに2度ほど同じ過去問を解き直してください。そして、それでもなお解けない問題があれば、その問題をコピーしてノートに貼っておくと、自分だけの弱点問題集ができあがります。筆者の友人はこの方法を行うことによって、筆者よりも少ない勉強時間で、筆者の2倍近くの点数を取っていました。
こうして対比してみると、どちらが点数が伸びやすそうか、一目瞭然だと思います。ぜひ筆者の経験を反面教師に、地理で高得点を目指してみてくださいね。
すでに社会選択で地理を選んでいる理系受験生は、ぜひ今回の勉強ポイントを参考に共通テスト地理の対策を進めてみてください。そして、まだ社会科目の選択をしていない理系高校生は、もう一度ほど社会科目の選択を考えてみてください。筆者のように、多くの時間をかけたのに50点台から抜け出せなかったら悲しいですからね。