今回は『偏差値50付近から伸びない原因4つ|勉強法が間違っているわけではない』について紹介したいと思います。
毎日のように必死で勉強をしているのに、なかなか偏差値50付近から成績が上がらない。
勉強法が間違っているのかな。あの大学に合格するのは無理なのかな。
努力しているのに成績が上がらないと、不安になりますよね。諦めようかと、思いたくもなりますよね。
じつは、あなたの成績が偏差値50から上がらない原因は、これから紹介する4つのうちのどれかです。
偏差値が伸び悩んでいる君へ
私は、偏差値を39から70まで上げて、東工大に逆転合格しました。
しかし、受験生の頃、いまの皆さんと同じように偏差値の伸び悩みに長いこと苦しんでいました。
最初はすべてが知らないことだらけで、毎日のように知識が増えていくのが実感でき、勉強が楽しかったです。
けれど、そうやって勉強を続けても、続けても、一向に努力は成績に反映されませんでした。
いま自分がやっている努力は無駄なんじゃないかと思うこともありました。
努力が形に現れないのは、大の大人ですらつらいです。逃げる人の方が多いでしょう。
でも、今あなたは、形に現れないつらい時期でも勉強を続けることができている。まず、これだけですごいことです。
なので、偏差値50台の壁が目の前に立ちはだかっているかもしれませんが、一旦ここがセーブポイントだと思って、よく頑張っていると自分を褒めてあげましょう。
偏差値50付近から伸びない原因4つ
1.相対評価の時期×種類
- 模試の「時期」や「種類」によって、偏差値の上がりにくさが大きく変わる
模試の「時期」が原因
そもそも偏差値は、模試を受けた周りの人の成績と、自分の成績を比べた「相対評価」です。
なので、周りの出来がよくない時に、自分だけ出来がよければ偏差値は高くなり、逆に周りの出来がよければ、自分の出来がよかったとしても、偏差値はそんなに高くなりません。
ここで思い返して欲しいのが、今あなたが伸び悩んでいる模試の時期です。
例えば、「受験直前期」や「夏休み終わりから秋」にかけては、周りも必死で勉強しているので、自分が努力をしていたとしてもなかなか偏差値は上がりません。
逆に「春から夏」にかけては、まだ周りがやる気になっていない、あるいは部活に専念しているので、偏差値が上がりやすいです。
もし、伸び悩んでいる時期が「春から夏」にかけてであれば、自分に原因があります。
逆に、それ以外はそもそもシステム上の問題なので、それほど落ち込む必要はありません。
模試の「種類」が原因
模試の種類によっても、偏差値の上がりやすさは異なります。
成績上位の受験生が多く受けるような模試、例えば「駿台模試」は偏差値が上がりづらく、逆に成績上位があまり受けない「進研模試」は、偏差値が上がりやすいです。
なので、まずは「どの時期の何の模試」で成績が伸び悩んでいるのかを、思い返してみてください。
そして、システム的に伸びづらいのが原因なのか、それとも自分自身に原因があるのかを、まずは判断してください。
2.知識と設問のマッチ率
- 自分の持っている知識と、模試に出る知識のマッチ確率がまだ低いことが原因で成績が上がらない
例えば、参考書に載っている知識が100コだとして、あなたが参考書で学んだ知識が5コだとしましょう。そして、模試で出される問題は、参考書の100コの知識のうち、5コだとしましょう。
すると、自分の5コの知識と、模試で出る5コの知識がマッチする確率はものすごく低いですよね。
もし、自分の参考書の知識が100コのうち80コまで増えたら、模試でどの5コが選ばれてもマッチする確率はぐんと上がります。
このように、最初のうちはたとえ知識を入れたとしてもマッチング確率がとても低いので、思うように点数が伸びなかったり、安定しなかったりします。
運よくたまたまマッチして良い点が取れることもあるのですが、最初は伸びないのが普通なので、あなたの勉強法が間違っているわけでも、努力が無駄になっているわけでもありません。
今後も勉強を続けて知識を増やしていけば、マッチ確率が上がって、誰でも最終的には高得点が安定するようになります。
期間でいうと、1~3ヶ月は偏差値50付近で伸び悩んでいても不思議ではないので、1~3ヶ月ほど成績が伸びないくらいであれば、確率システム上そういうものだと思って、前向きに勉強を継続してください。
もし、4ヶ月以上ずっと成績が上がらないようであれば、それは勉強時間が足りていない、あるいは勉強法が間違っている可能性が高いです。
その場合は、これから紹介する残り2つが原因なので、勉強法の改善として参考にしてみてください。
3.知識のインプット漏れ
- 覚えたと思っている知識が、実は『暗記』できていないことが原因の成績の伸び悩み
模試やテストを解いていて、「あれここどうだっけ?」と思う箇所があれば、まさにそこが暗記ができていない箇所なので、暗記をし直しましょう。
4.暗記知識の理解不足
- 暗記した知識がちゃんと『理解』できていないことが原因の成績の伸び悩み
参考書を何周もして完璧に解けているから、やったところに関しては理解できているはず。
私も成績が伸び悩んでいる時期、そう思っていました。
ですが、ちゃんと理解できているかどうかは、自分の主観では分かりません。
理解ができている状態というのは、問題の中に出てくる個々の知識が、「なぜそこで使われているのか」「なぜその順序なのか」という、細かな手順の理由まで暗記できている状態のことです。
ジグソーパズルで例えると、『暗記』できている状態が、ジグソーパズル全体を見て何を表しているパズルなのかがわかる状態。
『理解』できている状態が、ピース1つひとつを組み合わせて、ジグソーパズル全体を再現できる状態です。
これは、演習を反復する時に陥りやすいケースなのですが、「参考書の何ページにある問題」「問題の中の特定のキーワード」のように、その参考書の物理的な特徴で覚えていることがあります。
何周もしていると、徐々に雰囲気で答えが分かってくる経験がまさしく、理解できているつもりになりやすい例です。
このように、理解ができているかどうかに関しては主観では気づかないので、客観的な指標である「模試やテスト」を参考にしましょう。
細かな手順や定義が暗記できている状態、いわゆる理解できている状態であれば、模試やテストで多少変えられた形で出されても、ちゃんと対応できます。
しかし、「分かりそうだけど最後まで完答できない」「答えを見てみたら分かる」みたいなケースは、参考書の問題暗記こそできているけど、本質が理解できていない例です。
なので、模試やテストの結果を見てみて、「やったはずなのに間違えた」「暗記していたはずなのにできなかった」みたいな箇所は、できるつもりになっていた危険な箇所なので、早急にやり直す必要があります。
そして、その時に細かな知識一つ一つを、「なぜここで使えるのか」「なぜこれじゃないといけないのか」をとことん考えながら、定義と照らし合わせて復習してください。
その積み重ねができれば、ただの丸暗記から、理解を兼ねた本質的な知識に変わり、偏差値70越えも狙えるようになります。