今回は「【こんな人は危険】落ちないための滑り止め大学の選び方4選」について、全落ちして1年浪人の末に東工大に合格した筆者の経験をもとに紹介します。これまでYouTubeのコメント欄を通して何万人もの受験生の合格結果を見守ってきましたが、滑り止めの大学すら滑ってしまったという報告も少なくありませんでした。
筆者も同じような理由で現役時に全落ちをしました。これらに共通する原因は至って単純、滑り止め大学の選び方ミスです。まさか自分が全落ちすることはないだろう。そう思って、そのまさかが自分の身に降りかかる。こうやって、毎年同じことが受験生の間で繰り広げられています。
目次
滑り止めの大学にも全落ちをしてしまう受験生には、本当に不運な致命的ミスを除き一定の特徴があります。
✔︎ | 順滑り止め大学を過小評価している |
✔︎ | 滑り止め大学のレベルが高すぎる |
✔︎ | 自分が落ちるわけないと思っている |
もしも上記3つのどれかに該当しているかもしれないと思ったら、最悪の結果になる可能性を考慮して、今のうちから改善を意識していた方がいいかもしれません。全落ちをした後はもう、なにをどう足掻こうと浪人するか受験を諦めるかしかないですから。イメージがわかない人のために、参考までに以下は滑り止め大学に落ちた受験生の後悔の声です。
12校目の不合格が決まりました。模試の偏差値は60ちょっとで、受けた大学は全てA判定でした。それなのに、偏差値45の大学にも落ちました。 大学がこんなに難しいなんて知りませんでした。
大学全落ちしました。まさか自分がこんなことになるなんて思ってもみませんでした。滑り止めにさえも滑り止まらず、そもそも滑り止めにする大学を失敗しました。模試でずっとA判定だったからって滑り止めにするべきじゃなかったです。
大学受験に全落ちしました。早慶志望でMARCH1つしか受けてないのですがそのMARCHすら落ちて受験終わってからベッドの上から起き上がれません。
大学受験では、そのまさかが自分の身に起こり得ます。ぜひ今のうちから、筆者を含めた過去の失敗経験者の嘆きを反面教師にしてください。
冒頭でお伝えしたように、筆者は現役時にすべての大学に落ちました。ここでは、その時の状況をお話しします。
前期 | 東京工業大学(東京科学大学) |
後期 | 東京農工大学 |
滑り止め | 東京理科大学 ※模試ではA〜B判定) |
正直なところ、現役時の筆者は大学受験をなめていました。”東工大を受験する人にとって理科大は滑り止めと聞くし理科大は受かるだろう”と過信していたのです。しかし、実際に受験をしてみると、現実はそんなに甘くありませんでした。試験当日になり、試験会場まで記述入試を受けに行ったのですが、なんと試験の内容が想像の何倍も難しく、まったく歯が立たなかったのです。
東工大の入試対策をしているから理科大であれば楽勝だろう。そうたかを括っていたのですが、全然解くことができませんでした。当然、結果は不合格です。そして、立て続けに最後の砦である後期試験の農工大にも落ち、全落ちが確定しました。頭では油断も過信もしてはいけないことだとわかっていたのですが、無意識のうちに滑り止め大学を見下していたのです。
おそらく、先ほど紹介したA〜Cさんも同じく「まさか自分が滑り止めに落ちることなんて」と思っていたでしょう。しかし、そのまさかが自分に降りかかるのが大学受験、自分の実力のなさを突きつけられるのが大学受験です。ぜひ今回の失敗経験談を反面教師に、事前に全落ちというルートを回避していただければと思います。
滑り止め大学の選び方は、名前の通り滑りを防ぐ最後の砦です。大学レベルに挑戦しつつも、必ず受かるように設定しなければなりません。この場合、共通テスト利用を使えるかどうかによって選ぶ基準が大きく変わってきます。
共通テスト利用がある場合
共通テスト利用で確実に合格できる大学を最後の砦として1校選ぶ
共通テスト利用は大学によって必要な科目が異なるので、自身の高得点の科目だけを組み合わせて出願することができる場合もあります。それゆえに、共通テスト利用が使える場合は、強気に大学レベルを上げやすいです。
共通テスト利用で確実におさえられる大学があるのとないのでは安心感がかなり違うので、この方式を使える大学を1つは候補に入れておくと強いですね。
共通テスト利用がない場合
共通テスト利用がない大学の場合、その大学の記述入試を受けなければなりません。共通テスト利用での合格に比べると、二次試験での合格は難易度が跳ね上がるケースが多いため、警戒しながら慎重に選ぶ必要があります。
以下の表にて、第一志望大学の判定別に滑り止め大学を選ぶ時の目安を表示しています。
A判定 | 第一志望大学の偏差値マイナス4〜5の私立大学を選ぶ |
B判定 | 第一志望大学の偏差値マイナス5〜7の私立大学を選ぶ |
C判定 | 第一志望大学の偏差値マイナス7〜10の私立大学を選ぶ |
D判定 | 第一志望大学の偏差値マイナス10〜12の私立大学を選ぶ |
E判定 | 第一志望大学の偏差値マイナス12〜15の私立大学を選ぶ |
あくまで目安ですので、最終的には自身の受けたい気持ちや、直近の過去問演習での得点などを判断基準にしてください。その際にも、できるだけギリギリまでレベルを上げたい気持ちがあるかと思いますが、滑り止めは滑らないことが大切なので、少し謙虚な姿勢で選ぶようにしてみてください。
後期を滑り止めにする場合part①
そもそも滑り止め大学として私立大学を設定しない受験生も中にはいるでしょう。その場合は、中期試験や後期試験の大学を滑り止めにすることになります。中でも、ほとんどの人は後期試験を滑り止めとして選ぶでしょうから、ここでは後期試験を滑り止め大学として設定する場合の目安について、前期の第一志望大学の判定別に紹介します。
この時、共通テストと二次試験の配点割合において共通テストの割合が高い場合は要注意です。先ほど私立の記述入試のところでも触れましたが、やはり二次試験の方が得点難易度が高いので、やや慎重に選択する必要があります。ここでは「共通テスト配分が低い大学」を想定した目安になります。
A判定 | 第一志望大学の偏差値マイナス5〜7の国公立大学を選ぶ |
B判定 | 第一志望大学の偏差値マイナス7〜9の国公立大学を選ぶ |
C判定 | 第一志望大学の偏差値マイナス9〜10の国公立大学を選ぶ |
D判定 | 第一志望大学の偏差値マイナス10〜11の国公立大学を選ぶ |
E判定 | 第一志望大学の偏差値マイナス11〜14の国公立大学を選ぶ |
上の表は第一志望大学の偏差値が62以上の場合の目安になるので、それ以下の場合はこの値の3分の2から半分の下げ幅を目安に調整してみてください。このように後期試験で国公立大学を滑り止めとして選ぶ場合は、前期落ちの優秀な受験生が上から流れ込んでくるため、少し低めに設定しておくと無難です。
後期試験を滑り止めにする場合part②
ここでは、後期を滑り止め大学として設定する場合の「共通テスト配分が高い大学」を想定した目安になります。
共通テスト得点がA判定の大学を滑り止めの大学として選ぶ
後期の国公立は、優秀な受験生が上から流れ込んできます。そのため、共通テスト得点がB寄りのA判定の受験生でも落ちたりすることがあります。もし後期の国公立大学を滑り止めとして設定するのであれば、共通テスト得点がA判定ないと確実ではありません。
滑り止めの大学や併願大学を複数受ける予定の受験生も少なくないでしょう。ただし、この時に受ける数を間違えるとかえって自分の首を絞める危険性があるので、以下のことに注意してください。
✔︎ | 会場にまで受けに行く滑り止め大学は2〜3校でとどめておく |
✔︎ | 県外にまで移動して受ける大学は数を絞る |
直接受けに行かなければならない滑り止め大学や併願大学が多いと、思ったよりも勉強の時間が奪われます。特に、県外に移動する場合や試験の拘束時間が長い大学の場合は、1校1校の対策時間が少なくなるだけでなく、大本命である第一志望大学の対策にも悪影響を及ぼします。もし会場まで受けに行く場合は、数を絞っておくとよいでしょう。
✔︎ | 滑り止め大学や受験を甘く見ていると本当に全落ちする可能性あり |
✔︎ | 共通テスト利用があるなら出せば受かる大学を1校滑り止めにする |
✔︎ | 共通テスト利用がなければ偏差値を大きく下げた大学を滑り止めにする |
✔︎ | 自分で会場に受けに行く併願・滑り止め大学は2~3校に抑えておく |
以上が、滑り止めで全落ちしないための大学選びです。受かるギリギリまで大学のレベルを上げたい気持ちはわかりますが、もし浪人ができない場合は確実に受かると断言できる大学を1つ絞っておくことも大切です。最終的にその大学に進学するかどうかは置いといて、1つ合格が決まっているだけでも精神的にかなり安心できるので、前期の第一志望へのパフォーマンスも上がります。ぜひ、全滑りしない選択を頭の中に残しておいてくださいね。