今回は『大学受験生こそ定期テスト対策すべし|合格を勝ち取るための5つの対策手順』について紹介します。
受験生の中には、学校の定期テストを捨てるべきかどうかで悩んでいる人もいるでしょう。
たしかに定期テストと受験勉強は違うので、いくら定期テストで満点を取ろうと、受験では通用しません。
しかし、これは『定期テストを定期テストとして対策した時の話』です。
『定期テストを受験勉強として対策』すれば、定期テストを利用して受験の学力を効率よく上げることができます。
そこで今回は、定期テストを受験勉強として対策する方法について紹介したいと思います。
『学校の定期テストの構成』と『受験勉強の構成』の違い
【学校の定期テスト】
- 全員に合わせた自由度の低い学習
【受験勉強】
- 自分の志望大学に合わせた自由度の高い学習
まず学校の定期テストの構成と受験勉強の構成の違いについて知っておきましょう。
学校の定期テストの構成
- 範囲や単元が決められている
- 出題難易度が決まっている
- 範囲や単元の対策までの期間が固定
- 使用する参考書が決められている
- 出題される問題は担当教師依存
範囲や単元が決められている
- 基礎知識がある人の場合は、その範囲や単元を直接演習することができる
- 基礎知識がない人の場合は、前の範囲までさかのぼるか、丸暗記するしかない
たとえその範囲や単元をまだ学習したくなくても、まだその範囲が自分にとって早すぎる単元だったとしても、強制的に決められます。
自分で学習したい単元の順番やタイミングがあったとしても関係ありません。
そのため、基礎知識がついている人の場合はその範囲を直接対策することができますが、基礎知識すらついていない人の場合は、前の範囲を学習してから対策するか、あるいは丸暗記するしか対策法がありません。
出題難易度が決まっている
- 全員共通の難易度の問題を出すため、本来必要ない人もその対策をしなければならない
- 定期テストのレベルに合った大学を志望している人以外は、時間を無駄にしてしまう可能性がある
自分の志望大学には問題の難易度というものが存在します。
受験生は基本的に、その志望大学の問題難易度に合わせた学習を計画的に行います。
ところが定期テストの場合、それぞれの志望大学が異なるにも関わらず、全員共通の問題を解かなければなりません。
そのため、本来解かなくても良いレベルの問題や、その時期に解くべきでないレベルの問題も強制的に演習しなければなりません。
つまり、定期テストのレベルに合った志望大学以外の人は、時間を無駄にしてしまう可能性があるのです。
範囲や単元の対策までの期間が固定
- 定期テストのテスト期間は、確実な学力定着のためには短すぎる
- その結果、みんな山を張ったり、一言一句暗記したりする道に逃げる
定期テストにはテスト期間が存在します。
締め切り期間が存在するのは、本番の受験でも同様です。
しかし、この『期間の長さ』が圧倒的に異なります。
定期テストの場合は、与えられた期間が短すぎるのです。
もっと一つ一つの問題対策に時間をかけて何度も反復演習するべきですが、定期テストのテスト期間ではそれは到底不可能です。
そのため、最終的にみんな山を張ったり、一言一句丸暗記したりする道に逃げるのです。
使用する参考書が決められている
- 学校配布の教材が自分に合っていない場合、非効率な学習になってしまう可能性がある
- 受験勉強で効率よく学力を上げるためには、自分に合った参考書を選ぶことが大切
定期テストの場合は、学校配布の教材から出題されます。
そのため、定期テスト用の対策をするのであれば、学校配布の教材を演習する必要があります。
つまり、その教材が自分に適していようと適していまいと、その教材を扱わなければならないのです。
しかし、学力というものは本来、自分に合った参考書で演習して初めて身につくものです。
そのため、学校配布の教材が自分に合ってない人の場合は、非効率な学習になる可能性があります。
出題される問題は担当教員依存
- 定期テストは『高校の担当教員』、大学受験は『志望大学』が問題を選んでいる
- 定期テストで高得点を目指すと、志望大学的に演習しなくても良い問題までやることになる可能性
定期テストで出題される問題は『高校の担当教員』が選びます。
しかし、受験の入試本番は『志望大学』が問題を選びます。
高校の担当教員は皆さんの志望大学の問題傾向を考慮して出題しているわけではありません。
そのため、自分の志望大学の問題傾向と全く異なる問題が出題されることもあります。
もし定期テストで高得点を取ることを目標にしてしまうと、自分の志望大学の問題傾向的に対策しなくてもいい問題まで演習しなければならない可能性があります
受験勉強の構成
- 学習する範囲や単元は自分で決める
- 演習する問題難易度は自分で選べる
- 範囲や単元の対策までの期間は自分次第
- 使用する参考書は自分で選べる
- 出題される問題は志望大学に合わせる
学習する範囲や単元は自分で決める
- 自分の学力や知識に合わせて、自分のペースで順序立てて学習できる
今の自分の学力や知識に合わせて、学習するべき範囲や単元を自分で順序立てて決めることができます。
そのため、今の自分では力不足なのに、飛躍して難問を演習しなければならないという事態も起こりません。
演習する問題難易度は自分で選べる
- 志望大学の問題の難易度に合わせた学習ができる
志望大学の問題の難易度に合わせて、学習する問題のレベルを決めることができます。
本来やらなくても良いレベルの問題や、今の自分の実力からかけ離れた問題を無理して解かずに済みます。
範囲や単元の対策までの期間は自分次第
- 範囲や単元ごとに、自分のさじ加減で期間を設けることができる
定期テストとは異なり、範囲や単元ごとの学習に強制的に決められた期間は存在しません。
そのため、苦手な単元は他の単元より時間をかけることができますし、反復したい単元は多めに時間を取ることもできます。
自分の理解度や力の入れ具合に合わせて期間を決めることができます。
使用する参考書は自分で選べる
- 自分に適した参考書を自分で選ぶことができる
学校の教材が自分にマッチしている人はいいのですが、多くの人は学校の教材は分かりづらいと思います。
そのため、みんな自分に適した参考書を選んで受験勉強しています。
その『自分に適した参考書』を自分で選ぶことができるのが、受験勉強です。
出題される問題は志望大学に合わせる
- 自分の志望大学に合わせた単元や問題だけを扱って無駄を削減できる
出題される問題の傾向は志望大学によって異なります。
人によっては演習しなくても良い単元や、問題もあるでしょう。
受験勉強の場合は、自分の志望大学の傾向に合わせて学習できるので、無駄を省くことができます。
学校の定期テスト対策をするメリット・デメリット
学校の定期テスト対策にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
定期テスト対策のメリット
- 強制的に指定の範囲や単元の学習ができる
- テスト対策期間が短めに設定されているため、学習の集中力が増す
- 共通の評価で順位が決まるので、周りの生徒と競って切磋琢磨できる
- 全員に共通の問題を出すため、入試全般における頻出問題が出題される傾向がある
このように、定期テストは『理想の対策』さえ取れば、効率的な学力の向上に貢献します。
定期テスト対策のデメリット
- テスト対策期間が短いため、山張りや一言一句丸暗記など、定期テストのための対策になりがち
- 最低限の基礎知識がない人は非効率な学習になる可能性
- 志望大学の出題傾向や難易度が考慮されていない学習になりがち
『理想的な対策』をすれば得られるメリットが多い一方で、『理想的な対策』が取りづらい傾向にあるのが定期テストです。
なぜなら、テストという形式を取っているため、みんな高得点を取るために『定期テストのための対策』をしてしまうからです。
『定期テストのための対策』をした結果、山張りや一言一句丸暗記をしてしまい、その場限りの勉強になってしまいます。
こうなると、長期的な学力の定着が必要な受験には使えません。
受験勉強に活かせる定期テストの利用法
受験の学力向上にも活かせる定期テスト対策法は以下です。
- 自分の選んだ参考書の定期テストの範囲や単元の基礎例題を反復
- 自分の選んだ参考書の定期テストの範囲や単元の標準例題解く
- 学校教材の定期テストの範囲や単元の基礎問題を解く
- 学校教材の定期テストの範囲や単元の標準問題を解く
- 応用や発展問題は上記ができて時間が余ったら解くでOK
【注意点】
- 英語・数学を最優先で学習すること
- 定期テスト範囲の対策が間に合わなくても『山張り』『一言一句丸暗記』はしないこと
- 演習の際に初見で解けた問題はOKだが、解けなかった問題は〇が3回つくまで反復演習
- 自分の志望大学に出ないレベル、出ない単元の問題は無視して自分の受験勉強をすると良い
- 定期テストが返ってきたら、間違えた問題をコピー&ノートに貼って3回〇が付くまで反復
上記をやれば、自然と定期テストは点が取れますし、受験においても効率よく学力が身につきます。
また、定期テストを作る際、担当教員は『全員に共通する入試頻出問題』を選びます。
そのため、たかが定期テストと言えど、テスト直しを怠るのは非常にもったいないです。
あくまで受験を最終目標として定期テストを最大限に利用しましょう。