今回は「模試の結果がE判定やD判定なら志望校は諦めるべきかどうか、結果が悪くても逆転合格は可能なのか」について紹介します。
真剣に受験勉強をしていても、模試の結果が一向に良くならない時ってありますよね。
私も受験本番直前までずっとE~D判定を行き来していたので、つらくて不安な気持ちが非常に分かります。
模試の判定がE判定やD判定なら志望校を下げるべきなのかについて、私の経験も踏まえて紹介したいと思います。
目次
大学受験において成績が伸びるタイミング
毎日継続して勉強を続けていることが前提ですが、受験には成績がグンと伸びるタイミングというものが存在します。
【成績が伸びるタイミング】
- 勉強し始めから3か月目
- 勉強し始めから7か月目
- センター試験直前期
- 二次試験直前期
それぞれについて、成長する理由が存在します。
1.勉強し始めから3か月目
- 最低限の基礎知識のインプットに1~2か月ほど要する
- インプットした知識の定着に1か月ほど要する
- その結果、3か月目以降から成績が伸び始める
受験勉強のし始めは、知識がまだほとんどない状態です。
そのため、基礎的な頻出事項を幅広くインプットする段階です。
この「最低限の基礎知識」を幅広くインプットするのに、およそ1か月半~2か月ほど要します。
残りの1か月は「インプットした知識を反復して定着させる時期」です。
そのため、「インプット期間(1か月半~2か月)+定着期間(1か月)」である3か月目あたりから、模試の成績が伸び始めます。
【数学を例に取った場合】
≪最低限の基礎知識の定義≫
- 青チャートの頻出単元の★1と★2の例題
≪基礎知識のインプット≫
- 青チャート3周(頻出単元の★1と★2の例題)
≪基礎知識の定着≫
- 青チャートの頻出単元の★1と★2の例題に3つ〇がついた状態
2.勉強し始めから7か月目
- 知識を増やしていく過程で『最低限の基礎知識』が徐々に抜けていく
- 基礎知識を反復して完全定着するまでは発展知識は身に着かない
- その結果、4~6か月目までは成績が停滞する
最初の3か月で身につくのは「最低限の基礎知識」です。
そのため、その状態から成績をさらに上げるためには、「より広範囲の基礎知識」と「多少の発展知識」を身に着ける必要があります。
この「より広範囲の基礎知識」をインプットする段階で、前の「最低限の基礎知識」が徐々に頭から抜けていきます。
さらに、発展知識は色んな基礎知識を複合することで身につくものなので、基礎知識が完全に定着して自分のものになるまでは、なかなか発展知識が定着しません。
そのため、4か月目~6か月目までは成績が停滞します。
この伸び悩み時期に、「より広範囲の基礎知識」「多少の発展知識」と「最低限の基礎知識の定期的な復習」を同時並行で行なうことで、7か月目の成績が上がります。
【数学を例にとった場合】
≪より広範囲な基礎知識≫
- 青チャートの★3の例題の中で簡単な問題
≪多少の発展知識≫
- 青チャートの★3の例題の中で中レベルの問題
抜け落ちた知識を見つける方法
- テスト結果は自分の弱点を効率よく映し出してくれる鏡
- テスト結果の活用の仕方が受験の合否を左右する
成績の伸び悩み時期に知識が抜け落ちている箇所を的確に見つける方法があります。
それは「テスト結果の確認」です。
テストの結果でどの単元のどの問題が間違えているかを確認することで、何の知識が抜け落ちているかを確認することができます。
3.センター試験(共通テスト)直前期
- センター(共通テスト)過去問演習と間違い直しの繰り返しで弱点の一括克服
- その結果、成績が急激に伸びやすい
センター試験直前期は伸び悩んでいた成績が底上げされます。
センター試験は基礎力を試す試験です。
そのため、センター試験で点数を獲得しようとするならば、基礎を固めておかなければなりません。
センター直前期になると皆死ぬ気でセンター問題を解き、そのテスト直しと間違えた単元の見直しを行ない始めます。
この「テスト⇒間違えた単元の見直し⇒テスト」の繰り返しが非常に成績の向上に効果的なのです。
そのため、センター直前期に基礎力が一気に向上し、成績の底上げが起こる可能性が非常に高いのです。
当然、センター直前の成績の向上は、今まで努力をしてきて基礎知識をある程度頭に入れている人が、今までの誤った知識の修正と最後のブラッシュアップを行なうことで起きる現象です。
そのため、誰でも当てはまるというわけではありません。
逆に勉強を継続してきた人にとっては、たとえ今までの成績が悪かったとしても希望を捨てるのはもったいない時期と言えますね。
4.二次試験直前期
- センター試験(共通テスト)後に基礎力の底上げが出来上がっている状態
- 二次試験対策という応用演習を行なうと、基礎力が不安定だった時期よりも圧倒的に応用力が成長
難関大を受けるという理由で応用問題ばかり解こうとする人がいますが、基礎が不安定な状態での応用演習はほぼ無意味です。
ピンポイントで類題が出題されるのを祈らない限り、合格は見込めないでしょう。
逆に、基礎をしっかり固めた上で応用問題演習をすることができれば、大幅な成長が見込めます。
以上のことから、成績の推移は以下のように進みます。
私の逆転合格時の成績の推移
- 全科目偏差値39の状態から東工大を目指す
- 入試直前までE~D判定ばかり
- 落ちこぼれから逆転合格に成功
私は一度も記述模試の東工大の判定でC判定以上出たことがありませんでした。
毎年11月に行なわれる河合塾主催の東工大オープン模試で初めてD判定が出たくらいで、それ以外の記述模試はすべてE判定でした。
当然、このまま受けてもいいのかどうか悩みました。そして何よりも、東工大受験を周りから大反対されました。
模試の判定の悪さと周りからの反対もあり、第一志望である東工大受験を悩みに悩んだのですが、結局受けることにしました。
理由は「後悔したくなかったから」です。
受ければ、もしかしたら合格するかもしれません。
しかし、受けなければ、合格する可能性があったのかどうかすら分かりません。
後で「もし受けてたら受かってた可能性があったのかなぁ」と後悔するのだけは嫌だったので、決意を決めて少ない可能性に賭けました。
結果は、見事に賭けに成功しました。
自分でも知らない3か月の間(最後の11月の模試から二次試験までの期間)に、学力が大幅にアップしていたのです。
最後の方は、「これほどやって落ちるのならそういう運命だったってだけだ」とすら思っていたほどがむしゃらに勉強していました。
模試の判定が最後まで悪い場合どうすればいい?
- 基本的にはE~D判定から受かる人は多くない
- 毎日勉強を継続している人は直前期で急成長する
- 努力+多少の運があれば逆転合格は可能
- 最後は自分の『直感』で受けるべき大学を決める
毎日継続して勉強していて、かつ正しい勉強方法を行なっていたなら、たとえ模試の判定が悪かったとしても直前期で急激に成長することがあります。
基本的にはE判定やD判定から受かる人は少ないですが、模試から二次試験までの間は3か月ほどあります。
この3か月間は、今までの3か月間とは比にならないくらい成長できる可能性を秘めています。
なので、模試の結果がE判定やD判定ばかりだからと言って、志望校合格が不可能ということはまずありません。
ただ、難しいというのもまた事実です。
E判定から3か月で覆すためには「これ以上ない努力」と「多少の運」が必要です。
それを理解した上で、どうするかを判断してください。
結局、最後は自分の心です。どの道を選んだら一番後悔が小さいかです。
なので、今は自分が「直感で」行きたいと感じた大学を選んでみるのも一つの手だと思います。
模試の結果が悪くても志望校を諦めなくていい
- センター直前期と二次直前期は急激に成績が伸びる傾向がある
- 模試の結果がE判定やD判定でも逆転合格は可能
- 逆転合格のためには「これ以上ない努力」と「多少の運」が必要
- 一番後悔の少ない道を選ぶこと
- 直感で行きたいと感じたところを選ぶといい
もしE判定やD判定から志望校を目指すのであれば、滑り止めの大学を用意しておいた上で挑んでください。
最悪落ちてもしょうがない、という気持ちをどこかで持っておくことも逆転合格には必要です。
受験は人生で最初に直面する、苦しくて長いマラソンです。
不安なこともつらいこともあると思いますが、自分を信じて最後まで走り続けてみてください。