今回は「婚活の成功と生命科学には深い関係があり、恋愛には遺伝要素が半分絡んでいる」という話をしたいと思います。
婚活は結婚を前提にした活動であるため、できれば妥協も失敗もしたくないですよね。
婚活でパートナーを選ぶ際に失敗しないためには、まず恋愛に関して人間がどのように相手の良し悪しや相性を判断しているのかを把握しておく必要があります。
恋愛は「環境的要素」と「遺伝的要素」で成り立っています。そのため、どちらか片方が欠けてしまうと、長く続かないということになりかねません。
そこで今回は、恋愛の「環境的要素」だけでなく、「遺伝的要素」をしっかりと把握して最善の相手を低リスクで見つけられるように、遺伝要素について紹介したいと思います。
結婚した後で後悔をしないように、婚活に最善を尽くしましょう。
この記事で得られるもの
・人間が相性のいい人を見つけるまでの過程
・最善の相手を見つけるための科学的な婚活
・恋愛と結婚の科学的な違い
目次
1. 恋愛における遺伝的要素とは
恋愛における遺伝的要素は2つあります。
(1)脳内ホルモン分泌量
(2)免疫HLA遺伝子
それぞれについて以下で説明します。
脳内ホルモン分泌量
恋愛に関する脳内ホルモンには4種類あり、ぞれぞれ「ドーパミン」「セロトニン」「テストステロン」「エストロゲン」と言われています。
ドーパミン
やる気や興奮などの元になるホルモン
セロトニン
不安解消や心を落ち着かせるホルモン
テストステロン
競争心やチャレンジ精神を高める男性ホルモン
エストロゲン
穏やかで受容力を高める女性ホルモン
一般的にこれらのホルモン量と性格の関係は以下のように言われています。
【①ドーパミンの分泌量が通常値よりも多い人 】
リスクを恐れず、エネルギッシュに真新しいことにチャレンジできる人が多い
【②セロトニンの分泌量が通常値よりも多い人】
冷静で慎重であり、平凡を望んでいる人が多い
【③テストステロンの分泌量が通常値よりも多い人】
論理的思考力と集中性があり、戦略的な人が多い
【④エストロゲンの分泌量が通常値よりも多い人】
広い視野を持ち、物事を俯瞰して客観的に見ることができる。全体を見渡した協調性を持っており、共感力と感情の豊かさを持ち合わせた人が多い
また、①タイプの人は同じ①タイプの人を好み、②タイプの人は同じ②タイプの人を好む傾向にあります。
一方、③タイプの人は④タイプの人を好み、④タイプの人は③タイプの人を好む傾向にあります。
これはアメリカの人類学者のフィッシャーによる研究結果をもとにした説になります。
①~④のそれぞれを組み合わせると、男女それぞれ以下の4タイプに分けることができます。そして、それぞれのタイプにおける相性は以下の通りです。
ホルモン物質であるドーパミン、セロトニン、テストステロン、エストロゲンの分泌量は、遺伝子の塩基配列により制御されています。
つまり、遺伝的な要素によって相性が決まっている可能性があるのです。
遺伝子についての詳細な解説は以下の記事に記載していますので、もし興味があれば是非ご覧ください。
免疫HLA遺伝子
人間にはHLA遺伝子(ヒト白血球型抗原遺伝子)が存在しており、この遺伝子は免疫システムの一部である白血球のタンパク質を作る働きをします。
こちらも遺伝子なので、配列の少しの違いによりタイプが少しずつ変わってきます。簡単に例えると、白血球の苗字のようなものですね。
そしてこのHLAは汗などにより汗腺から分泌されると、フェロモンとして働きます。
フェロモンとして働くということは、その匂いにつられて異性が寄ってくるということです。
これは、動物学者であるヴェーデキント博士による研究結果なのですが、男性44人が2晩着ていたTシャツの臭いを49人の女性に嗅いでもらったところ、女性たちは自分のHLA遺伝子のタイプと最も異なる男性のTシャツを無意識に選ぶということが分かりました。
HLA遺伝子は免疫機能に関する遺伝子であるため、自分と異なるタイプのHLAを持つ異性を選ぶことで、その子供はより広くて網羅的な免疫機能を獲得することができます。
つまり、自分と異なるHLA遺伝子を選んで子孫を残すことで、その子孫は免疫機能が向上して生存に有利になるということです。
人間は無意識のうちに生存に有利な、本能的な行動をしているのですね。
以下はイメージ図ですので、ご参考ください。
緑色のラインはA夫さん~D夫さんのそれぞれのHLA遺伝子の構造、赤色のラインはE子さんのHLA遺伝子の構造を表しています。
E子さんがA夫さん~D夫さんまでのそれぞれと結婚をして子供を産んだ時の、子供のHLA遺伝子の構造を「①の場合~④の場合」で表しています。
子供のHLA遺伝子の構造(赤緑ライン)と外部の細菌やウイルス(オレンジ丸)の関係性を、ブロック崩しゲームで例えました(笑)。
②~④は外部の細菌やウイルスが侵入できるのに対して、①の場合は全部を網羅しているため、外部の細菌やウイルスが侵入できません。
つまり、E子さんはA夫さんと結婚をすれば、最も免疫の強い、生存に有利な子供を産むことができるので、E子さんは本能的にA夫さんを選ぶ傾向があるということです。
ちなみにこのブロック崩しの例は極端な例で、HLAの構造のタイプは1万6000種類ほどあるので、そのうちの2種が合体したところで上図のようにすべてを網羅することはできません。
2. 人間が相手との相性を判断する過程
人間が初対面の相手との相性を把握するまでの過程は以下です。
まず最初に「環境的要素」によりふるいにかけられ、その後「遺伝的要素」により相性の良いパートナーを判断すると考えられます。
矢印の幅はあくまで仮定なので、もしかしたら価値観の矢印幅がもっと大きいなどがあるかもしれません。
大昔の人類はフェロモンを受容する能力に優れていたのですが、徐々に生存の過酷さが欠けていくにつれ、フェロモンを感知する能力が欠如していき、今となっては匂いを嗅いだだけではよくわからないというのが現状です。
そのため、遺伝的要素は長い間一緒にいなければ感じることができないため、「環境的要素」が先行して、最初の判断材料になります。
3. 最善の婚活方法
現代の日本人においては、パートナーを選択するときに「環境的要素」が先行して判断している可能性が高いです。
そして、しばらく一緒にいるうちに「遺伝的要素」をフェロモンを通して感じ、最終的に合う合わないが生じてしまう、というケースに発展する可能性が考えられます。
この可能性を排除して長期的に相性のいいパートナーを見つけるためには、「環境的要素⇒遺伝的要素」の順序を逆転してあげる必要があります。
つまり、遺伝子的に相性のいいパートナーをあらかじめ複数人選択しておき、その後複数人の中から、環境的要素を利用して判断して相性のいいパートナーを見つける、ということです。
現在は分子生物学の技術も発展しており、個々の人間のゲノム情報を解析できるようになっています。
そのため、あらかじめ自身のDNA情報を調べておき、遺伝子的に相性のいいパートナーを洗い出すことも可能なのです。
最近徐々に遺伝子情報から相性のいいパートナーを洗い出してくれるサービスや婚活パーティなどが出てきていますが、割と理にかなっていると思います。
婚活で失敗したくないという人は、お試しがてらに「遺伝的要素⇒環境的要素」の順を満たせるサイト等を利用してみるのもいいかもしれません。
ちょうどNHKでそれを満たす婚活パーティを過去に紹介していたっぽいですので参考程度にどうぞ。
4. まとめ
以上が、婚活の成功と生命科学の関係性です。
遺伝的要素に関しては、過去の研究の報告を参考にしてはいるのですが、所詮過去のエビデンスでしかありません。
エビデンスというものは、今までの知識をベースにした結果でしかないため、今までの知識の土台自体が誤っていたとしたら何の意味もないものになります。
そのため、完全に信用するのではなく、あくまで参考程度にしてください。
以下は遺伝子検査キットに関する原理と、その効果の有無について記載した記事です。もし興味があればご参考ください。