今回は「ハトムギ化粧水が使う人の肌質と年齢によって効果が異なる可能性がある話とハトムギ化粧水×ニベアクリームに美白効果はない」ことについて科学的に説明したいと思います。
スキンケアをしたことがある人は一度は「ハトムギ化粧水」を使ったこと、あるいは聞いたことがあると思います。
私も昔「ハトムギ化粧水」と「ニベアクリーム」の組み合わせでスキンケアしていました。
おそらく今もハトムギ化粧水を使い続けている人も多いと思いますが、実はこのハトムギ化粧水、肌質と年齢によって効果が大きく異なってくる可能性があります。
今回はそれを検証するために、ハトムギ化粧水を使用したことのある600人を対象にしたレビュー分析と、ハトムギ化粧水の科学的性質の分析を行いました。
ハトムギ化粧水をすでに現在使っている人、あるいはこれから使おうか迷っている人は是非この記事をご参考ください。
今回の記事を読んで得ることができるもの
・自分にハトムギ化粧水が適しているかどうかの判断
・ハトムギ化粧水の美容効果の真相
・ハトムギ化粧水とニベアの効果
目次
1. 肌質や年齢とハトムギ化粧水の関係
肌質と年齢がハトムギ化粧水の効果とどのような関係性があるのかを知るために、ハトムギ化粧水を使用したことのある600人の肌質と年齢別にレビューを分析しました。
その本人の主観によるレビューであるため、多少変動はあると思いますが、統計的にはある程度、傾向を見ることができます。
今回の分析の条件は以下です。
~分析条件~
■600人のレビューを分析
■レビューは★1~7つで評価
■「肌質」と「年齢」別の統計
上記の条件に従い、レビューを「年齢」と「肌質」別に分析しました。ちなみに、600人全員のレビューの平均値は4.58です。
今回の対象600人の肌質の種類は以下です。
~肌質の種類~
■乾燥肌
■敏感肌
■普通肌
■混合肌
■脂性肌
対象600人の年齢層は以下です。
~年齢層~
■10代
■20代
■30代
■40代
これらの条件をもとに分析した結果が以下です。
各肌質別と年齢別にレビューをグラフ化した結果、上記の表のような結論に至りました。
つまり、ハトムギ化粧水を使用して効果を実感した層は以下であると言えます。
■敏感肌の10代、30代
■普通肌の10代~40代
価格の安さがウリの商品なので、金銭感覚的に10代の評価が高めの結果となっています。
また、肌質に関しては「敏感肌」と「普通肌」の人の評価が飛び抜けて良かったです。
今回の分析における結論は以下です。
【この章の結論】
ハトムギ化粧水は「敏感肌」と「普通肌」の若者に向いている商品である
では、なぜ「敏感肌」と「普通肌」の人の評価が高かったのでしょうか。
その謎を追求するために、ハトムギ化粧水の科学的美容効果について分析したいと思います。
2. ハトムギ化粧水の美肌効果の真相
ハトムギ化粧水にはどのような科学的美容効果があるのでしょうか。
以下はハトムギ化粧水に含まれる成分一覧です。
~ハトムギ化粧水の成分~
■グリチルリチン酸2K
■ハトムギエキス
■グリセリン
■(スチレン/アクリレーツ)コポリマー
■エタノール
■クエン酸
■クエン酸Na
■EDTA-2Na
■メチルパラベン
一つ一つの成分について簡単に説明します。
【グリチルリチン酸2K】
抗炎症作用のある物質です。細菌やウイルス等による炎症を抑える作用があるため、肌上で増殖しすぎた悪玉菌を抑制する働きをします。
【ハトムギエキス】
ハトムギエキスにはアミノ酸やビタミンB群が豊富に含まれています。肌に吸収されれば、肌細胞の栄養となり、ターンオーバーの促進に貢献します。
ただ、化粧水に含まれる栄養物質は肌細胞への吸収率が低いので、化粧水によるターンオーバーの促進はそれほど期待できないでしょう。
【グリセリン】
グリセリンは肌をコーティングしている、人間本来の肌にも存在する物質です。
肌をコーティングすることにより、保湿効果や肌の保護効果に貢献しています。
詳細は以下の記事に記載していますので、もし興味があれば是非ご覧ください。
【(スチレン/アクリレーツ)コポリマー】
この物質は肌上に膜を作り、肌をコーティングする機能を持っています。先ほどのグリセリンと似たような働きをするのですね。
【エタノール】
殺菌効果がありますが、自分の角質層や肌細胞を脱水してしまう効果もあります。
【クエン酸】
クエン酸は水に溶かすとpH2ほどの酸性溶液になります。肌上の古い角質はpH2ほどの酸性溶液にさらすと剥がれやすくなります。
これがクエン酸のピーリング効果です。
また、肌上に存在する悪玉菌は酸性に弱い一方で、善玉菌は酸性に強いため、肌の悪玉菌抑制にも貢献します。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
【EDTA-2Na】
EDTAはキレート剤と呼ばれる物質であり、金属イオンと結合して金属イオンをキャッチする働きをします。
化粧水には、安定化目的で加えられているので特に気にしなくても大丈夫です。
【メチルパラベン】
これは防腐剤です。保存中に化粧水中で細菌が増殖したりすることを防ぐ目的で加えられています。
このように、ハトムギ化粧水には様々な効果をもたらしてくれる物質が含まれています。
以上の効果をまとめると、ハトムギ化粧水の効果は以下であると言えます。
~ハトムギ化粧水の科学的美容効果~
■肌上の悪玉菌抑制作用
■軽いピーリング作用
一般的に言われている「美白効果」をもたらしてくれる成分はハトムギ化粧水には含まれていません。そのため、美白効果はないと考えられます。
また、ハトムギ化粧水を単体で肌に塗布すると、その揮発性(蒸発のしやすさ)の高さにより、保湿どころか肌が余計に乾燥してしまいます。
そのため、乳液等と組み合わせて使用することをオススメします。
今回、ハトムギ化粧水は「敏感肌」と「普通肌」の人からの支持が高かったですが、その理由は「他の化粧水に比べてあまり成分が含有されていないため、肌に対して低刺激だったこと」が考えられます。
3. ハトムギ化粧水とニベアの効果
ハトムギ化粧水はとニベアクリームの組み合わせは「美白に効果的」という噂が広まっていますね。あれは本当なのでしょうか。
少なくともハトムギ化粧水には「美肌効果」に貢献する成分は含まれていません。
なので、もし美肌効果があるとすれば以下の2つのうちの、少なくともどちらか一方の条件を満たしている必要があります。
■ニベアクリームに美肌効果成分が含まれている
■ハトムギ化粧水とニベアクリームが反応して美肌効果が発現する
これを満たすためには、ニベアクリームに美白のための成分が含まれている必要があります。
しかし、ニベアクリームはほとんどが油分です。そのため、保湿効果はありますが、美白効果はありません。
つまり、ハトムギ化粧水×ニベアクリームの組み合わせに美白効果はないのです。
さらに、ニベアクリームを塗布したまま太陽光を浴びると、肌表面上に塗布された油分による光の屈折率の変化により、通常以上に紫外線が浸透しやすくなる可能性があります。
そのため、ハトムギ化粧水×ニベアクリームは美白どころか、色が黒くなってしまう原因になる可能性もあります。
この組み合わせにより美白効果を感じた人は、おそらく他の理由か、あるいは肌の透明感が上がることにより白く見えたことが理由であると考えられます。
4. まとめ
今回の記事をまとめると以下です。
~ハトムギ化粧水に適している人~
■敏感肌の10代~30代
■普通肌の10代~40代
~ハトムギ化粧水の美容効果~
■肌上の悪玉菌抑制効果
■軽いピーリング効果
~ハトムギ化粧水×ニベアクリームの効果~
■保湿効果
■美白効果はない
以上がハトムギ化粧水に関する統計分析と科学的分析の結果です。
ハトムギ化粧水は適している人にはちゃんと効果があります。そしてなんといってもその安さが魅力的です。
今回は敏感肌と普通肌の人に適していると結論付けましたが、それ以外の方も一度試してみて、自分で体感してみるのも一つの手でしょう。