酵素ドリンクや酵素サプリに含まれる酵素には美容ダイエット効果がない!?

 

今回は「酵素ドリンクや酵素サプリに含まれる酵素に美容ダイエット効果があるのかどうか」について科学的に分かりやすく紹介したいと思います。

 

最近、酵素美容・酵素健康・酵素ダイエットなどの言葉が流行っていますよね。

 

おそらく皆さん一度は検索したことがあるのではないでしょうか。

 

実は私も「酵素 本当に効くのか」や「酵素 高い」などで調べたことがあります。しかし、あまり原理的なことは書かれておらず、使用レビューがメインでした。

 

このため、今回は「原理や根拠」をベースに酵素の大切さを紹介したいと思います。

 

今回の記事はこんな人にオススメ

・酵素が健康や美容、ダイエットに有効ってよく聞くけど、何か根拠があるの?

 

・生酵素と熱処理後酵素ってどう違うの?どっちを買った方がいいのかな?

 

酵素がどのように体に良い効果をもたらすのかを説明する前に、まずは酵素について、そして人体について知る必要があります。

 

1. 酵素

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酵素は「生体内の化学反応の触媒物質であり、主にタンパク質で構成されている」と定義されています。さっぱりわかりませんよね。

 

安心してください。今からわかりやすく説明します。

 

酵素の種類

酵素は大きく分けて以下のようにカテゴライズすることができます。

 

・合成酵素….対象の物質の合成を触媒する酵素

 

・分解酵素….対象の物質の分解を触媒する酵素

 

・代謝関連酵素….代謝の化学反応の進行を触媒する酵素

 

今回触れるのは、これらのうちの「分解酵素」についてです。皆さんご存じの消化酵素も、この分解酵素のカテゴリーに分類されます。

 

代謝関連酵素の機能については前回記事で説明しているため、もし興味があれば見てみてください。

 

同じ毒物でも人間は死ぬのに他の生物が死なない理由とその原理

 

酵素の構造

人間の体内には約5000種類もの酵素が存在しており、それぞれの酵素が独自の機能を有しています(一部同じ機能を持った酵素あり)。

 

つまりA酵素はa機能を、B酵素はb機能を…という風に。一部の同じ機能を持った酵素の場合は、A酵素はa機能を、B酵素もa機能を…という感じです。

 

そして、それぞれの酵素は独自の「構造」を持っています。この、構造の違いがそれぞれの酵素の機能の違いなのです。酵素の「構造」が今回のテーマのキーワードになります。

 

では、酵素の構造とは何なのでしょうか。酵素はタンパク質なので、タンパク質の構造について触れます。

 

前々回の記事を読んでくださった方は、タンパク質の作られ方についてすでにご存じだと思いますが、実はDNAをもとに作られたタンパク質の話には続きがあります。

 

DNAをもとにタンパク質が作られる話に興味がある方は是非以下をご覧ください。

 

遺伝子組み換えの可能性と不老不死の関係とは?テロメアとテロメラーゼ

 

実はタンパク質は4つの段階を経ることで初めて機能を持ちます。

 

では、4つの段階とは何なのでしょうか。

 

タンパク質はアミノ酸の配列です。

 

人間の体の中には、標準アミノ酸と呼ばれるアミノ酸が20種類存在しており、このアミノ酸が1列に並べられることによりアミノ酸配列が作られます。このアミノ酸配列がタンパク質です。

 

例えば、A、B、C…S、Tを20種類のアミノ酸であるとしましょう。すると、タンパク質は

 

ACGHTSHAABCSDJIDLEKBCGHTSSLONMJHTSCAG

 

というように、一列に並べられたアミノ酸(アミノ酸配列)で表されます。この一列に並んだアミノ酸配列のことを「タンパク質の一次構造」と呼びます。

 

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次に、このアミノ酸配列(タンパク質の一次構造)は手を加えられ、一列の直線だった構造が変化します。この時、変化させられた後の構造には2種類存在します。

 

一つ目:α-ヘリックス型と呼ばれるらせん状構造

 

二つ目:β-シート型と呼ばれるシート状構造

 

この2つの構造のことを「タンパク質の二次構造」と呼びます。

 

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この二次構造がさらに立体化させられます。これを「タンパク質の三次構造」と呼びます。

 

また、タンパク質の三次構造は「一次構造」と「二次構造」が混ざり、立体化したものです。

 

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最後に「タンパク質の四次構造」についてなのですが、四次構造は三次構造の寄せ集め(複合体)です。

 

以下の図をご覧いただくとわかりやすいと思います。以下の図では、三次構造が4つ集まった形が四次構造となっています。これはヘモグロビンの例です。

 

そのため、他のタンパク質では4つ以下の複合体のものもあれば、4つ以上のものもあります。

 

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この四次構造までとって初めて、タンパク質は機能を果たします(3次構造までしかないタンパク質も一部あり)。

 

 酵素が働く条件と壊れてしまう条件

上記のように、タンパク質は複雑な立体構造をしています。タンパク質が壊れずに安定して機能を発揮するために必要な条件が2つあります。

 

それは「温度」と「pH」です。タンパク質ごとに「最適な温度」と「最適なpH」があり、最適条件下でないとしっかりと働いてくれません。

 

ちなみに、pHとは酸性が強いか塩基性(アルカリ性)が強いかを表す指標です。塩酸がpH2程度、水酸化ナトリウム水溶液が12程度です。

 

ではなぜ最適条件下でないと働いてくれないのでしょうか。これにはしっかりとした科学的根拠があります。

 

温度が高すぎるあるいは低すぎると、タンパク質の構造が壊れてしまい、ただのアミノ酸配列(一次構造)に戻ってしまいます。

 

先ほども書いた通り、タンパク質は四次構造までとって初めて働くことができます(一部を除き)。

 

そのため、温度が適していないとタンパク質は機能を有さなくなります。pHに関しても同様です。

 

最適のpHでないと、構造が壊れてしまい、機能しなくなります。

 

温度やpHの変化で構造が壊れる理由は、タンパク質の分子内結合の不安定化が原因なのですが、ここは複雑なので省略します。

 

一般的には、温度は38度付近、pHは7付近が最適であると言われています(例外も多くあり)。

 

そのため、この温度やpHから大きく離れた環境下では、タンパク質は壊れて機能しなくなってしまいます。

 

例)低温・高温・強酸性・強アルカリ性条件下等

 

2. 市販の酵素ドリンクの効果

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さて、いよいよ市販の酵素ドリンクや酵素サプリが効果的な理由について説明していきましょう。

 

今回触れる酵素は「分解酵素」であると冒頭で書きましたが、これは市販の酵素商品に含まれているのが「分解酵素」だからです。

 

では、分解酵素とはどのような酵素なのでしょうか。

 

分解酵素の種類と働き

一言で分解酵素と言っても、何種類か存在します。以下分解酵素の種類となっています。

 

・炭水化物分解酵素….デンプンやセルロースを分解する酵素(人間はセルロースの分解酵素を持っていない)

 

・タンパク質分解酵素….タンパク質を分解する酵素

 

食べたお米等(デンプン)を分解する酵素には、アミラーゼやアミロペクチンがあります。

 

タンパク質分解酵素はプロテアーゼと呼ばれており、ペプシンやトリプシンなどがあります。

 

市販の酵素商品のウリは「プロテアーゼの効果」なので、今回はプロテアーゼについて触れたいと思います。

 

プロテアーゼの機能は、構造が壊れたタンパク質(一次構造のアミノ酸配列)を分解して、最終的にアミノ酸1分子単位にすることです。

※この「壊れたタンパク質を分解」という点を忘れないでください。

 

人間が食べた肉や卵は、口の中である程度噛んで小さくされた後、胃に入っていきます。

 

そして、胃の中で消化され、栄養になります。このフローをミクロ視点で見てみましょう。

 

胃に入ったタンパク質は、胃酸(強塩酸)のpHで、構造が壊されます。そして、アミノ酸の一次配列になります。

 

これをプロテアーゼが認識・分解して、アミノ酸配列をアミノ酸一分子単位にします。

 

ここで皆さん疑問に思いませんか?

 

Q 酵素もタンパク質だから、酵素ドリンクを飲んで酵素を摂取しても、胃の中で壊されてプロテアーゼで分解されてしまうから、酵素として働いてくれないんじゃないだろうか…

 

A はい、間違いではありません。酵素もタンパク質なので、胃に入ると普通の肉や卵のように消化されて、ただのタンパク質源として栄養分にされます。

 

Q じゃあわざわざ高い酵素ドリンクや酵素サプリを買ってまで摂取しなくても、プロテインバーとかでいいじゃん…

 

A はい、タンパク質を摂取する目的であればその方法で結構です。

 

では、先ほどの文章を思い出してみてください。

 

「胃に存在するプロテアーゼは壊れたタンパク質(一次構造)しか分解できない」

 

「胃酸は強酸性なので、多くのタンパク質は構造が壊れて一次構造に戻ってしまう」

 

つまり、胃酸に触れても構造が壊れなければ、胃に存在するプロテアーゼに分解されないのです。

 

胃の中の自前のプロテアーゼも、胃酸で壊れないように設計されています。そのような酵素が存在していても一切不思議ではありません。

 

そして、実は胃酸で壊れない酵素があります。それが、植物性のプロテアーゼなのです。

 

特に有名なものだと、パイナップルに多く含まれている「パパイン」というプロテアーゼ。この酵素はかなり強度が固く、高温中でも、強酸・強アルカリ中でも壊れません。

 

このように、植物性のプロテアーゼの中には、胃酸に触れても壊れることなく、働くことができるものがあります。

 

そのため、胃の中での食べ物の消化を助けることができるのです。

 

逆を言えば、胃酸のpHに耐えられない酵素しか入っていない酵素ドリンクやサプリは、ただのタンパク質摂取でしかありません。

 

3. 酵素ドリンクや酵素サプリを選ぶ時の注意点

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よく「生酵素使用!熱処理無し!」や「熱処理後商品」など書かれた酵素商品がありますが、ここまで読んでくださった皆さんならもうお分かりでしょう。

 

確かに、発酵をさせた後の植物性酵素ドリンクだと、なんかおなか壊しそうです(気持ちの問題的に)。

 

しかし、熱処理をしてしまうと、せっかくの生きた酵素が壊れて、ただの栄養としてのタンパク質に変わってしまいます。

 

そのため、生酵素商品を選ぶようにしましょう!また、酵素商品を選ぶ際は、どの植物を使用しているのかも見るようにしてください。

 

胃酸で壊れてしまう酵素なら全く意味がないですからね。

 

≪結論≫

 

酵素ドリンクや酵素サプリは、商品によっては全く酵素の働きをしないものもある。

 

成分や製造法を見て見極めることが大切である。

 

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