今回は「短期間の独学で物理の偏差値を30上げる勉強法、偏差値ごとに使用するべき参考書とその演習方法」について紹介します。
学校で物理の授業を聞いていてもイマイチよくわからない、という方は少なくないのではないでしょうか。
私も物理がイマイチよく分からず、最初の頃は物理を選択したことを後悔した時期があります。
皆さんも、今はまだ物理が分からないかもしれませんが、この記事の通り演習を行なうことができれば、物理を得点源にすることができるでしょう。
今回の記事の内容は以下の動画でも見ることができるので、動画の方が見やすいという方は以下のyoutube動画をご覧ください。
- そもそも物理の勉強の仕方が分からない
- 物理の成績がイマイチ上がらない
- 効率よく物理の成績を上げる勉強法が知りたい
受験物理は受験数学と勉強法が異なる
物理の場合、数学や英語とは効率的な勉強方法の順番が異なります。
【数学の場合の効率的な勉強順】
- 参考書の問題の解法を繰り返し暗記
- 解法パターンの知識が身についてくる
- 徐々にどの解法同士を組み合わせればいいか分かってくる
- この段階で「なぜ」を大切にプロセスを考察していく
- 上記を繰り返すことで応用力が身についてくる
【物理の場合の効率的な勉強順】
- まずは物理についての概念をザっと知っておく
- 参考書の問題の解法を繰り返し暗記
- 解法パターンの知識が身についてくる
- 徐々にどの解法同士を組み合わせればいいか分かってくる
- この段階で「なぜ」を大切にプロセスを考察していく
- 上記を繰り返すことで応用力が身についてくる
数学は、一切分からない状態のスタートであったとしても、とりあえず問題と向かい合い、ひたすら解法を暗記するところから始めるのですが、物理は少し違います。
物理の場合は、まずは軽く概念を知っておく必要があります。
数学の場合は数多くの公式があり、公式を暗記してそれを組み合わせることができれば問題を解くことができます。
そして、その組み合わせの数だけ問題が存在します。そのため、多くの公式をインプットして組み合わせ方を覚えれば、自然と応用ができてきます。
物理の場合は公式が非常に少ないです。
例えば力学であれば、運動方程式ma=Fがすべてといっても過言ではありません。
あと用いるものはsin,cosや、垂直抗力N、摩擦係数μなどの多少の記号のみです。つまり、覚えるべき公式が非常に少ないのです。
そこで必要になってくるのが『原理から考えた式の構築』です。
物理は『原理の理解』こそが問題解答力と応用力につながる科目なのです。
短期間で物理の成績を上げる偏差値ごとの演習方法
物理を勉強し始める人はまず物理とは何か、どんな雰囲気の学問なのかを知るところから入る必要があります。
この「全体的な概念の大雑把な把握」が、後々の成績の伸び率にも影響してきます。
そのため、物理が苦手な方や一から始める方は、全体的な概念から学びましょう。
全体的な概念を学べる参考書(偏差値30~45)
- 概念をザっと学ぶことができる参考書
- 物理が苦手な人や勉強したことがない人が最初に読む参考書
この参考書は、当時偏差値が39しかなかった私でも比較的簡単に読むことができました。
物理初心者でもわかりやすいように、非常に丁寧に原理から説明してくれています。
また、イラストや絵を使用しながら原理を説明してくれているため、視覚的にも頭に入ってきやすいです。
そして、この参考書の一番大きな特徴が「専門用語をできるだけ排除してくれている」ことです。
また説明の後に、その説明内容に沿った簡単な類題が掲載されています。
そのため、雰囲気を把握した状態で問題に取りかかることができるので、スムーズに頭に入ってきやすいです。
この参考書の勉強法
【①読む段階】
- 全体感をつかむために1周読む(分からないところは付箋をつけて飛ばす)
- 2周目に入り、もう一度全体を最後まで読む
- 3周目も同様に、最後まで通して読む
- 付箋をつけた箇所を集中的に読む(それでも分からなければ一度放置)
【②解く段階】
- 参考書付属の問題を最初から最後まで1周分解く(この時、自力で解けた問題には〇を1個つける)
- 2周目も1周目と同様に演習(1周目と同様に自力で解けた問題には〇を1個つける)
- 3周目以降も同様、〇が3個ついた問題はもう解かなくてOK(問題を解くときは必ず「図」と「式」を書きながら解くこと)
上記通り行なえば、物理の基本的な概念に関しては、ある程度想像できる状態まで達しているはずです。
また、基礎的な問題も少し解けるレベルまで上達しているでしょう。
基礎的で頻出の問題を網羅している参考書(偏差値45~55)
- 試験で出やすい重要な基礎頻出問題が網羅されている参考書
- 解答が分かりやすく、なおかつシンプルで学びやすい
この問題集は非常にオススメです。まず、解答が分かりやすく、かつシンプルで良解法です。
この解法をそのままインプットすれば、基礎はある程度叩き込むことができます。
この参考書を解き終えたあたりから、私は物理の成績が急激に伸び始めました。
最初の参考書で概念を把握した後は、是非こちらの参考書で演習をしてみてください。
この参考書の勉強法
- 参考書付属の問題を最初から最後まで1周分解く(この時、自力で解けた問題には〇を1個つける)
- 2週目も1周目と同様に演習(1周目と同様に自力で解けた問題には〇を1個つける)
- 3周目以降も同様、〇が3個ついた問題はもう解かなくてOK
この問題集の解法を読んでも理解できない場合は、もう一度最初の概念理解用の参考書の、同一単元を読んでみてください。
「問題演習⇒概念読書⇒自分なりに考察⇒問題演習」という流れを繰り返すことで、理解力と応用力がつきます。
なので、解法が理解できない場合は最初の参考書に立ち返り、概念や原理を把握したうえで、分からなかった問題に立ち返り、自分なりにどうしてそうなるのかを考察してみてください。
それでも分からない場合は、暗記してください。後々必ずわかるようになるタイミングが来ます。
- ここまでで紹介した2冊を完璧にするだけで、センター試験(共通テスト)や中堅大学(地方国公立大学)までは十分に対応できる
少し応用の参考書(偏差値55~60)
こちらは、物理の参考書の中ではかなり有名な参考書となっています。
そのため、この参考書から手をつけ始める人が結構いるのですが、この参考書は中級者向けです。
なので、学習するタイミングを誤ってしまうと、かえって物理が分からなくなってしまいます
しかし、基礎がついた段階で取り組む分には、かなり効果的な参考書です。
この参考書の演習の仕方は、先ほどの参考書と同様です。
- 上位の中堅大学を志望の方はこの参考書まで解いてみること
応用の参考書 (偏差値60~63)
こちらの参考書は、まさに名門を受ける人は必ず解けないといけない頻出難問題が多く掲載されています。
そのため、難関大を受けたい人は必ず解くようにしてください。
ただ、こちらの参考書は解答がイマイチです。
合う方には非常にマッチするのですが、合わないと感じた方は別の代わりの参考書を用いるのも一つの手です。
- 旧帝大を志望する方はこの参考書まで解いてみること
超応用の参考書(偏差値63~70)
こちらの参考書は超難問ぞろいです。また、非常に分厚く、問題量も異常です。間違っても全部解けるように、なんて考えないようにしてください。
自分の志望大学の2次試験で出そうな問題のみピックアップして解いてください。
- こちらの参考書に関しては、国公立医学部・東大・京大・東工大・阪大・早慶の理工を受験する人以外は解かなくて結構
物理の単元ごとの勉強法
物理には大きく分けて「力学・熱力学・波動・電磁気・原子」という5つの単元があります。
【効率的な勉強順】
- 力学
- 波動
- 熱力学
- 電磁気
- 原子
物理初心者がやりがちなミスなのですが、最初から全単元やろうとしないでください。
力学なら力学だけ、波動なら波動だけを一度にまとめて演習してください。
①「力学」の全体的な概念の把握
②「力学」の基礎演習
③「波動」の全体的な概念の把握
④「波動」の基礎演習
・・・・
⑪「力学」の少し応用演習
⑫「波動」の少し応用演習
・・・・
⑯「力学」の応用演習
⑰「波動」の応用演習
・・・・
このように、単元ごとと難易度ごとに順位付けをして、まとめて演習をしてみてください。
自分で勉強優先順位がつけられない方は、上記の順通りそのまま演習してください。
また、自分の志望大学の過去問にも目を通すようにしてください。
少なくとも過去4年分は見ておくといいでしょう。
4. まとめ
どの参考書を解くにしても、以下のことは守ってください。
- 問題を解くときは必ず「図」と「式」を書くこと
- 分からなければすぐに答えを見る
- 何度か考えて(読んで)分からなければ一度飛ばす
- 問題は必ず〇が3個つくまで繰り返し解く
- テスト直しは必ずする
また、偏差値39の落ちこぼれの私が東工大合格までの道のりでどのように勉強してきたかを詳細に記載した記事が以下になります。
すごいわかりやすくて、勉強のやる気が出てきました!
お仕事頑張ってくださいね❤️